
しかし、そんな私でも、ゴルフのマナーだけはわきまえているつもりだ。初心者の女性に「走れ、走れ」とは言わないが、周囲に気配りをして迷惑をかけないように徹底させる。時間がかかり過ぎなら、ボールをピックアップして前進させるし、難しいライなら、打ちやすい場所にボールを動かす。「ゴルフはあるがまま」が原則だが、きちっと説明した上での特別ルールを適用するのだ。
前の組のプレーで待たされるのはよくあること。ハイシーズンの土、日にはむしろ自然の光景だろう。時として堪忍袋の緒が切れるのは、ワンホール以上前の組に離されても、のんびりやっている連中だ。特に、キャディなしのセルフでそれをやられると腹が立つ。ことを荒立てないようにマーシャルを呼ぶが、彼等にはマーシャルの存在が理解できないらしい。テレビ中継のプロをまねるかのように、四方からグリーンを読み、絶対にOKは出さない。当然、ラインが読めたところで、そこには打てず、入らない。遠くから「ナイス、パー!」と大声が聞こえれば「スコアの数え方も知らんのか」と、怒鳴りたくなる。グリーンが終わってもそこに立ち止まり、スコアを確認。カートまでのんびり歩き、丁寧にクラブの数をチェックしてから、おもむろにカートを発進させる。明らかにOBでも、ボールの行方を見ていないため、5分以上も平気でボールを探し、なければルールだからとティグラウンドまで戻ってくる。確かにルールは大切だと思う。だがどう見ても、ルールブックを読んでいるとは考えられない。
驚いたのは誤球をされたこと。前の組が折り返してすれ違った際、私のボールはややスライスして隣ホールの近くへ飛んだ。落下地点へ行ってみると、前の組の人が打とうとしている。「ボールを確認しました?」と尋ねると「ハイ、しました」と言って打ってしまった。私の目印がはっきり見えているのにだ。それってマナー以前の常識だろうが。
1947年秋田県生まれ。東京12チャンネル(現テレビ東京)アナウンサー出身。76年フリーに。現在は『とくダネ!』(フジテレビ系)や『嵐の宿題くん』(NTV系)、『小倉智昭のラジオサーキット』(ニッポン放送)の司会を務めるなど、幅広く活躍中。
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