生理前の不調で転職を重ねた40代女性の苦悩 うつ病なのか「PMS」なのか判断できなかった
ところが、やはり気持ちの波があり、うまく働き続けることができなかった。
「月経前になると、暗い気持ちが湧いてきて、表情が乏しくなるのが自分でもわかります。でも、元気なときは元気なんです。うつの割には症状が一定ではないため、戸惑いました」
病院勤務を続ける中で、抗不安薬など、服用する薬が増えたが、気分は安定しなかった。
2017年9月。「看護師という仕事の負荷が自分にとって大きすぎるために、PMSの症状を悪化させているのではないか」と思い、病院を辞職。デイサービス勤務に切り替えた。
2018年5月。経済的な理由と、精神的にも安定してきたことから、病院の日勤常勤の看護師に戻る。
しかし、極度の気持ちの落ち込みに見舞われ、3カ月で退職した。
入水・首吊り自殺未遂を経て…
2018年8月。兵頭さんは「今度こそ看護師を諦めよう」と思い、葬儀会社に転職。
しばらく心身ともに安定していたため、10月から心療内科に通うのをやめ、処方されていたSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬、抗うつ薬の一種)であるレクサプロも服用せずにいた。
ところが、小学6年生の娘の不登校が本格化すると、精神状態が悪化し、またしても3カ月で退職することに。
そして、翌年1月から看護師として老人ホームで働き始めた。
しかし、娘の小学校卒業、中学校入学などで不安定な状態が続き、急激に心と身体のバランスを崩す。
「自分なんて生きている価値がない」「自分がいないほうがすべてうまくいくのではないか」と思い、3月に入水自殺や首吊り自殺を試みたが、幸い命に別状はなかった。
「このときも生理前でした。レクサプロの内服をやめていたのも症状を強めた原因だと思います。服用していると、元気なときは逆にハイになってしまうことから、医師に相談すると、『症状に合わせて減薬していい』という話だったので、減薬後に自己判断で断薬をしていました」
心療内科への通院と服薬も再開した。
2019年8月。夫の祖母の介護が始まったが、1カ月も経たないうちに体調が急変し、亡くなってしまった。介護は短期間で終わったが「私は祖母に十分なことをしてあげられたのか」という自問を繰り返し、また調子を崩す。
しかしこのときは、老人ホームの仕事を2カ月休職し、休養に専念することで回復。心療内科の医師による内服薬でのコントロールが奏効し、落ち着きを取り戻した。
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