生理前の不調で転職を重ねた40代女性の苦悩 うつ病なのか「PMS」なのか判断できなかった

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「2度目はかなりショックでした。1度目の経験で、自分がうつになりやすい考え方をしていることに気づき、意識して自己肯定をしたり、メンタルのコントロールを心がけるようにし、自分なりに、自分との付き合い方を身に付けたつもりだったからです」

兵頭さんは、仕事を続けるために心療内科にかかる。医師からは休職を勧められたが、どうしてもやり遂げたい仕事があったため、仕事を続けられるよう頼み込んだ。

「当時の私は傲慢でした。『自分は強い人間だ。服薬でうつはコントロールできる』と思っていたし、1度目のうつが短期間で回復したので、『またすぐによくなる』と高をくくっていたのです」

しかし、最終的には2016年3月に限界を感じ、退職して治療に専念することに。

「あなたみたいな人がいちばん危ない。大丈夫大丈夫と笑って無理して、気づいたら崖から落ちる手前ギリギリのところにいる」と、医師に叱られた。

お皿を洗うのも精神的に苦痛だった

兵頭さんは長年PMSを疑っていたが、うつが再発した約4年前、健康診断によって貧血が判明し、婦人科を受診した際に症状を伝えたところ、正式にPMSと診断された。

鉄剤と低用量ピルを処方され、貧血の症状は改善したが、気持ちの落ち込みは続いた。

「生理前になると、本当に穴ぐらの中に入って、1人で閉じこもっていたい衝動にかられます。お皿を洗うのも精神的に苦痛で、泣きそうになりながら休み休み洗うくらいの感じでした」

数カ月後、そのことを婦人科医に相談すると、より強いピルを勧められる。兵藤さんはピルを服用しながら、手帳に自分の身体や精神の状態を記入し始めた。

すると、ピルを服用しているにもかかわらず、月経周期と不調がリンクしていることに気づく。

自分のバイオリズムがわかりにくくなることや、血栓のリスクなどもあるため、ピルの服用をやめることにした。

そんなとき、漢方薬局に出合う。

そこでは薬剤師が丁寧に話を聞いたうえで生薬をmg単位で配合し、オーダーメイドで薬を処方。飲み始めて数日で筋緊張などの症状が緩和され、効果を感じた。

だが、精神的な不調は一向に改善されない。

それでも兵頭さんは、「体調を崩したのは職場環境が悪かったからだ」「少し休んだら元の元気な自分に戻れて、また働ける」と思っていた。そのため、心療内科の医師が「もっとゆっくり復職を」とアドバイスするのも聞かず、傷病手当も早々に切り上げ、失業保険の受給満了を待たずに、翌年1月から働き始める。

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