生理前の不調で転職を重ねた40代女性の苦悩

うつ病なのか「PMS」なのか判断できなかった

月経前になると体や心の不調を訴える女性は約7割に上るという。はたしてコントロールする方法はあるのだろうか(写真:Ushico/PIXTA)

42歳の兵頭素子さん(仮名)は、社会人になったくらいから、生理前になると胸の張りや腰の重だるさ、イライラや落ち込みなどがあり、自分でネットや本などで調べ、「PMSの症状に当てはまる」と思っていた。

うつ病が再発した約4年前からは、月の半分は寝込んでしまうことが増え、健康診断を受けたところ、血液検査で極度の貧血が判明し、婦人科を受診。鉄剤と低用量ピルを処方され、貧血の症状は改善したが、気持ちの落ち込みは続いた。

「自分がうつ病なのか、PMSによる気分変調なのか、自分でもよくわかりませんでした……」

バイエル薬品が制作し、婦人科などに配布している冊子『生理前カラダの調子やココロの状態が揺らぐ方へ PMS 月経前症候群』によると、約74%の女性が、月経前や月経中に体や心の不調(月経随伴症状)を抱えているという。

月経随伴症状とは、月経前はPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、月経中は月経困難症と呼ばれる症状だが、日本ではまだあまり知られていない印象だ。

しかし、ホルモンバランスの変化により、精神状態や体調が変化することに気づき、悩んでいる女性は少なくない。

そこで、実際にPMSやPMDDに苦しむ女性の事例を紹介することで、PMSやPMDDについての理解を社会に広められたらと思う。

2度目のうつ病発症

兵頭さんがうつ病になったのは、これが初めてではない。1度目は、新卒看護師1年生のとき。

「1度目のうつ病の治療は、ある意味簡単でした。看護師になる覚悟が足りなかったことと、幼少期からの自己肯定感の低さが原因とわかり、心療内科でカウンセリングを受け、自分の考え方の傾向に気づきました」

約半年間カウンセリングを受け、治療薬の服用、そして転職を経て回復。
しかし2015年の春先から、原因不明の腹痛を繰り返したり、生理が時々とぶように。

その年の10月。それでなくても人手不足で激務の職場で、すでに「キャパオーバーです」と1度断り、了承されていたにもかかわらず、看護師長から「あなたしかできないから」と新たな仕事を振られる。

このことが2度目のうつ病発症の引き金になった。

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