生理前の不調で転職を重ねた40代女性の苦悩 うつ病なのか「PMS」なのか判断できなかった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「自分のまじめすぎる性格や、仕事に自己実現や理想を求めすぎること、頑張っている自分が好きだったことなどから忙しくしすぎて、PMDDの症状を強めていたように思います」

PMDDと重症PMSとの見分け方は、 バイエル薬品の小冊子によれば、唐突に湧く「崖っぷちの感情」や「限界感・自己喪失感」があること、「拒絶や批判に対する感受性が高くなったり、情緒的に不安定だったり予測できなかったりする」「炭水化物を偏って摂食したり、あるものを食べ続けたりする」「睡眠過多・睡眠不足」など、自分で自分をコントロールできない感覚がある場合、PMDDである可能性が高いという。

PMDDかもしれないと気づいてから…

兵頭さんは、自分自身で調べて「PMDDではないか」と思い、心療内科で医師に相談。すると、「今後、症状と経過を総合的に判断していく必要があるが、PMDDの可能性がある」と言われた。

「私は看護師の仕事が大好きで、38歳まで仕事が趣味といえるほど働いていました。自分に厳しく、他人にも厳しかったのは、『自分は努力している』という自負があったからです。

でも、自分がPMDDかもしれないと気づいてから、自分や他人を必要以上に責めることは減りました。『努力したくてもできないときがある』のを知ったことで、娘の不登校に対しても寛大でいられるようになったんです。先日、久しぶりに家族だんらんの時間を持つことができ、不調期、本当にひどいありさまだったにもかかわらず、変わらぬ愛情を向けてくれる夫と娘に感謝しました」

食事がおいしく感じられること、趣味を楽しめること、夜ゆっくり眠れることなど、当たり前のような日常を幸せなことだと思えるようになった。

「『スゴイ誰か』にならなくても、『頑張らない私』でも生きていていいということを、ようやく理解することができました。周りにうまく頼ることも覚えて、仕事だけでなく、毎日の生活も楽しめるようになりたいと思います」

兵頭さんは、「自分のトリセツ」を作りつつ、常勤でなくてもいいから病院看護師として働ける日を目指している。

旦木 瑞穂 ライター・グラフィックデザイナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たんぎ みずほ / Mizuho Tangi

愛知県出身。印刷会社や広告代理店でグラフィックデザイナー、アートディレクターなどを務め、2015年に独立。グルメ・イベント記事や、葬儀・お墓・介護など終活に関する記事の執筆のほか、パンフレットやガイドブックなどの企画編集、グラフィックデザイン、イラスト制作などを行う。主な執筆媒体は、産経新聞出版『終活読本ソナエ』、鎌倉新書『月刊「仏事」』、高齢者住宅新聞社『エルダリープレス』、インプレス「シニアガイド」など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事