就職先を決めた、ある一冊の書籍との出会い
嵯峨の両親は共に教育者。就職活動をする段になり、モノを売ったり、特定の商品を思い入れを込めて売るといったことは想像ができなかったようだ。
また当初、官僚や銀行なども考えたということだが、何より「自分というものが生かされる仕事をしたい」という思いが強く、その軸で考えていくと、従来から存在しているエスタブリッシュな世界というのは自分には向いていないと判断したという。
そのような折、嵯峨は『共生の大地』(内橋克人氏)という一冊の本と出合う。この本の中で紹介されていたのが嵯峨の就職先となる日本総合研究所だ。この書籍の中で日本社会における新しい動きを牽引する存在として、シンクタンクの存在が示されていた。そしてその中でも特に、シンクタンクの中で後発である日本総研が、企業や行政をうまくリードしながら新しい社会の仕組みを作っていくことに力を入れ、個性を発揮している、とあり、輝いて見えた。
このようにして、できあがってしまっているものではなく、新しい社会の仕組みを作っていく、ということへの関心がさらに高まり、チャレンジしていくことを嵯峨は決意した。
▼村尾の視点
人生の節目と感じる場面では、一度立ち止まって、自分自身について振り返り、考えることはとても重要。その行動により、何となく、ではなく、自らの「選択」により、次の道を見つけることに繋がるからだ。
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