大学で浮き上がった自らの「社会」への関心
NPOとプロボノ(※)として企業人をつなぐ新しい社会の仕組みを作ることに挑戦し続けている特定非営利活動法人サービスグラント。嵯峨がこのNPOを立ち上げるに至った原点を思い起こすと、一つは大学での授業で生まれた「社会」への関心だという。
大学への入学後は、主に社会思想や古典的な文献を読み、社会学を学び、様々な社会についての理解を深め、その仕組みを頭で考えていた。
転機が訪れたのは、『地域社会論』という授業。この授業は実際に地域に入ってフィールドワークをするというもの。
嵯峨の言葉を借りれば、「行く前はかなり腰がひけていたし、どちらかと言えばやる気があまりなかった。旅行者として農村を訪問したことはあったが、調査者として地域に入っていくのは初めてで、観光で訪れる際の目線とは全く異なり、社会を構造化して見る、ということはこういうことかと思った。
この経験から書物を読むよりも現場に行って、その地域の構造に触れたり、自ら発見するということへの面白さを感じた」と。
これ以降、社会というものへの強い関心、そして発見した課題を新しい社会の仕組みを作って変える、ということへの思いが強くなっていったという。
※プロボノ
Pro bono publico(公共善のために)というラテン語が語源で、仕事を通じて培った各分野の専門知識やスキル、経験を活かして、無償で社会貢献活動(ボランティア活動)を行うことをいう。
▼村尾の視点
志の原点をたどっていくと、幼少期の経験(例えば両親が読んでくれた本や偉人伝)、や大学時代の何かの偶然(恩師との出会い、ある講義で扱われていたテーマ)などに影響を受けている場合が多い。自分の思いを探そうとする人は、一度自分の今までの人生について丁寧に振り返ってみると、何かが見えてくるかもしれない。
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