ハウス食品とブルボンを分析する 円安と消費税増税に備える食品業界

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今回は、大手食品メーカーのハウス食品グループ(以下、ハウス食品)と、菓子準大手のブルボンを分析します。
国内景気が回復してきているとはいえ、2社の業績を見ると、円安による原料高や競争激化による採算の悪化が、利益を圧迫している状況がうかがえます。
さらに、4月から行われる消費税増税の影響も無視できません。このようなマイナス要因をどのように乗り越えていくのか、2社の決算内容と戦略を詳しく見ていきます。
円安に消費増税のダブルパンチ。厳しい状況に食品業界はどう立ち向かうのか(撮影:梅谷秀司)

ハウスは円安による原料高と競争激化が響く

ハウス食品の平成26年3月期 第3四半期連結決算(2013年4~12月)から分析していきます。まずは収益性を調べるために損益計算書(7ページ参照)に注目しますと、売上高は前年同期の1619億円から今期は1774億円まで約9.6%伸びています。ところが、「売上原価」も約16.5%増えてしまっているため、「売上総利益」は742億円から752億円まで10億円しか伸びませんでした。

売上高に占める売上原価の割合を示す「売上原価率(売上原価÷売上高)」を計算しますと、54.2%から57.6%まで3.4%増えています。前年同期よりコスト負担が重くなっていることがわかりますね。

収益がそれほど伸びなかった原因は、大きくわけて2つあります。ひとつは、他社との競争が激化したため、主力のカレーやシチューなどのルー商品の値下げを余儀なくされて、採算が悪化したこと。もうひとつは、円安の影響で、小麦粉や油脂など原材料の輸入価格が上昇したことです。

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