ハウス食品とブルボンを分析する 円安と消費税増税に備える食品業界

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ブルボンの業績は安定している

続いて、ブルボンの平成26年3月期 第3四半期連結決算(2013年4~12月)を分析していきます。先ほどと同様に損益計算書(6ページ)から見てみますと、「売上高」は前年同期の747億円から今期は762億円まで約2.0%の微増。「売上原価」も1.7%増え、「売上総利益」は308億円から316億円まで約2.6%伸びました。

しかしながら、「販売費及び一般管理費」が3.1%増えたことで、「営業利益」は12億円から11億円まで約9.5%減となりました。

ところが、売上原価率を計算しますと、58.7%から58.5%まで若干下がっています。円安による原材料や燃料高といったマイナス要因があるものの、コスト削減や生産性の向上などといった企業努力が収益力を維持したと考えられます。

次に、キャッシュフロー計算書(同8ページ)からキャッシュフローマージン(営業活動によるキャッシュフロー÷売上高)を調べてみます。これは、どれだけ効率的にキャッシュフローを稼いでいるかを示す指標です。ブルボンの場合は、「営業活動によるキャッシュフロー」が20億円、「売上高」は762億円ですから、約2.7%と計算できます。あまり高い水準ではありません。私は7%程度あればキャッシュフロー的には高収益だと判断しています。

ただ、「営業活動によるキャッシュフロー」のうち「減価償却費」が25億円かかっている一方で、「投資活動によるキャッシュフロー」にある「有形固定資産の取得による支出」が28億円計上されているところを見ますと、減価償却費以上の投資を行っているという点で、ある程度、設備投資を積極的に行っている様子がうかがえます。

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