東大理Ⅲ4人合格させた母の揺るぎない教育法 子が小さい頃に得た感性はずっと支えになる

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大学卒業後に高校の英語教師になった佐藤氏は、2年間の教員生活の中で、「どんなに熱心に授業をしても宿題を出しても、勉強する環境や習慣が生徒の自宅になく、自ら学ぼうとしない生徒はなかなか学力が伸びない」と痛感したそうだ。

すなわち、子どもが宿題をやらなかったり、成績が上がらなかったりする場合には、親のサポートが必要になるということだ。とくに母親の影響は大きく、また当然のことながら家庭環境も大きな意味を持つだろう。

結婚を機に教師を辞めたのも、そうした思いがあったから。家庭生活を優先させたいと考えていたからこそ、育児と仕事の両立は難しいと判断せざるをえなかったのである。

なお、この時点で興味深いことがある。自分の子どもをどのように育てようかと考えたとき、スポーツや芸術などの才能に期待するのは無理かもしれないと判断したというのだ。理由は、夫婦ともどもその分野には向いていなかったから。

そこで、基礎学力をベースにした教育をすることにして、大学入学まで勉強のサポートを全力で行おうと決めた。その根底にあるのは、基礎学力さえあれば、特別な才能がなかったとしても、子どもの未来を明るくすることはできるという考え方だ。

「得意分野を伸ばすためには、子どもをどの方向へ向けるべきか」ということについての判断が、結果的にはプラスに働いたことになる。

もちろん、子どもの個性や才能はそれぞれなので、佐藤氏と同じような方向性を目指せばうまくいくというわけではない。しかしそれ以前の段階として、子どもの特性に応じてこうした視点を持つことは、幼児教育の基本であるといえそうだ。

「三つ子の魂百まで」最初に何を与えるかはとても重要

子どもの年を1つ、2つ、3つと数えるときに、「つ」がつくのは、「ここのつ」と数える9歳までです。スズキ・メソードや公文式などの早期教育では、「つ」がつくまでの間に、子どもをきちんと育てられるかどうかが勝負だといわれています。(18ページより)

逆に9歳までの間にきちんとした言葉遣いや思考方法で育てられなかったとしたら、そののち矯正しようと思っても、なかなかうまくはいかないかもしれない。子育て経験がある人なら、このことについては多少なりともうなずける部分があるのではないだろうか。

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