「GRヤリス」乗ってわかったトヨタの本気度

20年ぶりに復活した「スポーツ4WD」の実力

フットワークは、「軽さは正義」であることを実感。重量は非公表だが、前後オーバーハングが短いメリットが生きているようで、体感上は1200kgを切るイメージ。ターマックは路面がウエットなうえに、低速かつRがキツい、ジムカーナのようなコースレイアウトだったが、セオリーどおりに走る限りは4WDを感じさせない素直なハンドリングで、リアの安定性も非常に高い。

と言っても、単なる安定志向のハンドリングとは違い、コーナー進入ではドライバーの操作次第でアンダーもオーバーも可能な自在性を備えていた。ただ、限界がかなり高いので、その姿勢を維持するためにはドライバーの腕も要求される。

ちなみにドライブモードは、「ノーマル:安定方向」「スポーツ:ノーズが入りやすい」「トラック:バランスのよさ」と、各モードの差は非常にわかりやすかった。

数cm単位のコントロールも可能

しかし、今回のウエット路面に関して言うと、どのモードもリアに対してもう少しフロントが粘ってくれると、一体感や安心感はさらに高まると感じた。また、シートはホールド性やかけ心地などは問題ないものの、ターマックではやや腰高に感じたのが少々気になった。

グラベルでのテスト走行の様子(写真:トヨタ自動車)

一方、グラベルでは、路面のグリップが低いことも相まって、思い切って振り回して走らせることができた。

コースはパイロンで作られた“8の字”レイアウトだったが、1周つなげて走らせることはたやすく、「パイロンまで数cm」というように、自分の手足のごとく意のままに操れるコントロール性の高さを感じた。また、絶対的なスピードは高いはずだが、クルマの動きがスローに感じるぐらいの余裕も感じられた。

ダートを走って1つ気になったのは、ペダルレイアウトだ。素早い操作時に、アクセル/ブレーキペダルの間隔がやや広いのが気になった。クルマがよくなると細かいところが気になってくるのだ。このあたりは衝突安全にも関わるので変更は難しいと思うが、開発陣も認識しているようなので改善を期待したい。

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