トヨタ「ヤリス」が変えたコンパクトカーの基準

先進技術がてんこ盛り、走りもハイレベル

日本では2020年2月中旬の発売を予定している新型ヤリス(写真:トヨタ自動車)
トヨタ「ヴィッツ」がフルモデルチェンジを機に、グローバルで使われてきた「ヤリス」の名前を日本でも用いることになった。とはいえ、単に車名が変わっただけではない。かつて「スターレット」がヴィッツに切り替わったように、同じセグメントで、同じようなボディ形態であっても、そこに求められる要素は時代の変化で確実に変わってきている。
現行モデルを「ひどい出来」と評する『間違いだらけのクルマ選び』は、この新型ヤリスをどう見るか。著者・島下泰久氏が最新版『2020年版 間違いだらけのクルマ選び』につづったヤリス評をお読みいただきたい。

いよいよトヨタ車の革新の波が、エントリーレベルにまで及んできた。ヴィッツ改めヤリスは、まさに世界のコンパクトカーに影響を与えた1999年の初代ヴィッツ=ヤリスに匹敵するインパクトを持った、超・注目作である。

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思えば現行モデルは、さまざまな要因から急遽プラットフォームを先代からキャリーオーバーせざるをえなくなった結果、とくに登場当初は、控えめに言ってもひどい出来だった。トヨタがそれを丹念に熟成し続け、まともなクルマに育て上げてきたのにはさすがと思ったが、そのうえ彼らは、その間にTNGAに基づく新しいアーキテクチャーを開発していたのだった。そして満を持して今、それを用いた新型をヤリスの名で投入してきたのだ。

かなり引き締まった印象

ボディサイズは全長が3940㎜で先代より5㎜短く、全幅は1695㎜。実は海外向けは1745㎜まで広げられているのを、日本専用で5ナンバーサイズに収めている。全高もやはり現行型と同じ1500㎜とされるが、ルーフアンテナなしなら1470㎜となり、つまり実際には30㎜低くなっている。

正面から見た新型ヤリス(写真:トヨタ自動車)

Bセグメント用のTNGAアーキテクチャーであるGA─Bは、ほかのサイズと同様に高剛性化、軽量化、低重心化にドライビングポジションの適正化などが図られたうえで、とくにタイヤを車両の四隅に配置することを狙ったという。

実際、ホイールベースは40㎜伸ばされる一方、リアオーバーハングは45㎜短縮されており、コンパクトなキャビンと相まってフォルムはとても凝縮感が高い。前後のフェンダーを強調するような造形になっているからでもあるが、かなり引き締まった印象である。

実際、Aピラーが後退したうえに全高が下がっていることもあって、パッケージングは明らかに前席重視と見て取れる。細かく見ると、前席着座位置は58㎜後退し、21㎜下げられて車両の中心に近づいている一方、前後席間の距離は37㎜短縮されている。

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