正直、日産自動車の経営陣にとって、日本市場におけるスカイラインは、もはや必ずしも大事な存在ではなくなっているんだろうと思っていた。
グローバルではプレミアムブランドであるインフィニティの一員、Q50でありながら、日本でそれに日産のマークを付けるのは許されないからと、国内では誰にも馴染みのないインフィニティのマークを平気で付け、エンジンはダイムラーから供給された2Lターボを使い、インフィニティでは用意していたパワフルなV型6気筒ターボエンジンも導入しない。
結果としてグローバルカーとなったクルマをこれまで育ててきた日本のユーザーはナメられたものだと感じたし、開発陣の“スカイライン”への思い入れも蔑ろで、ある意味ではこのところの日産の象徴ではあるなと、寂しい気持ちにさせられていたのだ。
それだけに今回の大がかりなマイナーチェンジは嬉しい驚きだった。まだやる気、あったとは。
一定の条件下で手放し運転が可能に
まずデザインは、ほかの日産車にも共通のV字型グリルを持ったフロントマスク、丸テールなどを採用した専用のものになった。とってつけた感じはなくはないが、出自不明よりははるかにいい。
中身にはさらに力が入っている。その中でも一番の話題と言えば、高速道路で設定したルートに従って複数車線を使い、つまり追い越しや分岐まで含めて出口まで走行を支援し、さらには同一車線内でのハンズオフ、つまり手放しでの運転をも可能とする最先端の運転支援技術、プロパイロット2.0のハイブリッドモデル全車への標準搭載だろう。
手放し可能とは言っても、自動運転レベル3ではなく、あくまで運転の責任はすべてドライバーが負うレベル2。つまりドライバーは前方を常に注視し、何かあればすぐさま自分でステアリングを操作しなければならない。そのためステアリングホイールセンサーやドライバーの顔向きを検知するカメラなどが備わっている。
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