新型スカイラインが背負う日産ブランドの復権 やる気を感じた大がかりなマイナーチェンジ

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また、中央分離帯のある高速道路で、3D高精度地図があることなど起動できる条件も限られているのだが、しかしその運転感覚は、やはり新鮮だ。車線内の自車位置の設定、そして車線トレースの正確さ、滑らかさには感心させられるばかり。初めての公道でのハンズオフを、誰もがすぐに、安心して使うことができるに違いない。

プロパイロット2.0のイメージ(写真:日産自動車)

ただし、速度標識に合わせて速度を調整する機能は、日本の道路環境では必ずしも嬉しいことばかりではないとも感じた。

速度設定は何十年も前の基準のまま見直しもされていないから、たとえばテストをした中央道河口湖線から本線への接続路なんて、何と30㎞/h規制なのだ。ここまでの減速は、実勢速度からすると却って危険である。プラス10㎞/hまでは設定範囲とは言っても……いや、これは日産に何か非があるわけではないのだが、今後、速度標識に準じる機能が一般的になっていくにつれて、こうした問題が引っかかってくることになりそうだ。

車線変更支援機能の実力は

車線変更支援機能は、前走車に追いついてクルマから促された時にはスイッチ操作での承認で、あるいは自らの意思でならウインカーレバーの操作により、車両が周囲の状況を確認し、スムーズに車線変更を行う。

横から見た新型スカイライン(写真:日産自動車)

ただし、法規上この時にはステアリングに手を添えておかなければならない。とはいえ、機能としては興味深いものの、状況判断を含めて自分でやったほうが早いよなと思うのも確かではあるのだが。

こうした機能は運転の歓びをスポイルするのではとの声もあるというが、機能は任意でオン・オフできるから遊びに行った帰りなどに使えばいいだけの話。帰りの渋滞を心配しなくていいとなれば、却ってクルマの楽しさを存分に楽しめると言えるのではないかと私はコレ、ポジティヴに捉えたい。

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