日産「スカイライン」のデザインに透ける思惑

マイナーチェンジなのに、珍しい大胆な変更

フロントグリルを一新した新型スカイライン(筆者撮影)

日産自動車のセダン「スカイライン」が7月16日にマイナーチェンジを実施した。最大のトピックは高速道路同一車線内でのハンズオフ、つまり手放し運転を可能にした運転支援技術(自動運転レベルはレベル2のまま)のプロパイロット2.0であるが、これについては事前に日産が告知していたことでもあり、筆者はデザインに大きく手を入れてきたことに驚いた。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

軽自動車の「デイズ」からスーパースポーツの「GT-R」まで、商用車を含めて多くの日産車が採用しているVモーショングリルを装着していたからだ。マイナーチェンジでここまで大胆な変更は珍しい。リアまわりはそこまでの変化はなかったが、テールランプは点灯時に丸が浮き上がるようになっている。

2つのリデザインから感じるのは、日産らしさ、スカイラインらしさを強調してきたことだ。

かつて日産車ではなかったスカイライン

スカイラインは最初から日産車だったわけではない。1957年に登場したときは富士精密工業というメーカーから、プリンスというブランドで送り出された。9年後に日産と、その後プリンス自動車工業と名を変えた同社が合併したことで日産車になったものの、1969年に登場した最初のGT-Rは、プリンスがレーシングカーR380のために生まれたGR8型エンジンを公道向けに設計し直したS20型を積んでいた。

サーフィンラインを取り入れた「ケンメリ」(筆者撮影)

スタイリングは、「ケンメリ」の愛称で親しまれた4代目ではアメリカ車風になったりもしたが、長い歴史を俯瞰すると直線基調のウエッジシェイプが多かった。2代目で初採用した丸型テールランプ、3代目で導入したリアフェンダーのサーフィンラインなど、ディテールの特徴もあった。

そのスカイラインに、プリンスから日産へのブランド移行に匹敵する動きが訪れたのは2001年。日産が経営危機からルノーとアライアンスを組んだ2年後のことだ。この年に発表された11代目スカイラインは、2年前の東京モーターショーに参考出展されたコンセプトカー「XVL」の市販型だった。

XVLはスカイラインが属するカテゴリーの次世代後輪駆動セダンとして開発した車種で、もちろんスカイラインも想定していたはずだろうが、モーターショー出展時にはその名を出していなかったうえに、結果的には日産がプレミアムブランドとして海外展開していたインフィニティ・ブランドでも販売されることになったために、不満が続出した。

次ページ様変わりした現行型スカイライン
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • iPhoneの裏技
  • グローバルアイ
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT