ヒトの便を解明する元サッカー日本代表の野望

鈴木啓太38歳、19年秋大手企業から3億円調達

元サッカー日本代表MFでJ1・浦和レッズで活躍した鈴木啓太氏(筆者撮影)

アスリートの便を解明して人々の健康増進に役立てようとする男がいる。

元サッカー日本代表MFでJ1・浦和レッズで活躍した鈴木啓太氏(38)だ。現在、アスリートの腸内環境の解析を手がけるスタートアップ「AuB(オーブ)」で代表を務めている。

Jリーグが開幕25周年を迎えた2018年、鈴木氏はサポーターから、“スタジアムに応援に行くのは疲れる”という声を聞いた。

「もうあれから25年も経ちましたからね。サポーターも高齢化していて足が遠のいてきているんです。それならば、疲れないような健康な身体になってもらえばいい」

食事・運動・睡眠の重要性を考えるうえで、アスリートの腸内にこそ、健康のヒントが隠されているのではないかと鈴木氏は考えている。アスリートの腸内細菌を研究・解析するメリットをこう語る。

「膨大なサンプルを集めてデータ化するにしても、どうスクリーニングし、セグメント分けして調査するかが極めて重要です。その点、アスリートの便に付随するデータは、とがっていて非常にわかりやすいというメリットがあります」

腸活アスリートだった現役時代

アスリートが引退後に、研究事業に足を踏み入れるケースは非常にまれだ。鈴木氏は、なぜアスリートの腸の研究を行うことにしたのだろうか。

「研究事業は時間もお金もかかるし、ほかの人にはオススメはできません。でも、僕には腸を大切にしてきたというストーリーがありますし、やるなら僕なのかなと。一生懸命に頑張って上り詰めたアスリートの腸が、世の中のためになるというのはロマンがある話ですよ」

鈴木氏は現役時代、「お腹でコンディショニングを作っていた」と話すほど、腸内環境の重要性を早くから認識していた選手だった。調理師だった母親の影響で、幼い頃から、毎日自分の便を見て体調を把握した。高校生になると、乳酸菌のサプリメントを携行。海外遠征には必ず緑茶と梅干しを持参するなど、独自のコンディショニングを行ってきた。

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