ヒトの便を解明する元サッカー日本代表の野望

鈴木啓太38歳、19年秋大手企業から3億円調達

新商品AuB BASE(オーブベース)(写真:AuB提供)

2019年9月には三菱UFJキャピタルと大正製薬、個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施し、累計3億円を調達した。大正製薬とは業務提携をすることでアスリートの腸内細菌の研究データを活用した商品など開発分野で協業していくという。

今回の資金調達と、フードテック事業への参入意図について、鈴木氏は次のように語る。

「研究開発型の事業だけだと、成果をあげるのに時間もお金もかかります。僕らはベンチャーですから、経営資源を極力集中させなければなりません。これまでは研究に集中してきましたが、ようやくその成果を表に出す時期に来ました。これまでの研究は継続しながらも、今後はマーケティング・ブランディングに力を入れて、事業の基盤を作っていきたい」

持続可能なスポーツ観戦体験を目指して

ビジネスの世界では、合理性が優先され、忘れがちなのが「感情」である。感情が大きく揺れ動くスポーツの世界で生きてきた鈴木氏は、ビジネスの合理性もさることながら、「感情」を大切にしていることがうかがえる。現役時代、誰よりも激しくピッチを駆け回り、人々の感情を動かしてきた鈴木氏ならではの感性なのだろう。

アスリートの「便」を使って、人々を健康にし、ファン・サポーターの高齢化に逆らうように、スタジアムに大きな感情の起伏を起こそうとする。こんなに非合理的で、ロマンのある事業も珍しいのではないか。

「プレーでファン・サポーターを喜ばすのが選手たちの仕事だとすれば、われわれは、アスリートの便から得た知見を生かして、ファン・サポーターを健康にする。何歳になってもスタジアムへ行くことができるような健康な身体作りのお手伝いがしたい」

アスリートの便で人々を健康にすることができたとき、世界でも例を見ない、スポーツサスティナブルな活動に昇華するのではないだろうか。

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