普通の女子高生が「小売の極意」をつかめたワケ “デジタルネイティブ"はこうやって考える

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中学生になってからは、アニメ好きが高じてコスプレに目覚めました。お年玉を使って中古のミシンをネットで購入し、ボーカロイドの初音ミクや『マクロスF』のヒロインであるランカ・リーの衣装を友だちと一緒につくって着ていました。もともと図工など、ものづくり自体は好きでしたが、服をつくる経験はこのときが初めて。わからないなりに見よう見まねでミシンを動かしていたら、意外と形になるので驚きました。

ちなみに、私の中学生時代の家庭科の成績は5段階評価で3。もとより裁縫が得意なわけではありません。それでもつくりたいという意欲があったから、どんどん上達していったのです。自分が楽しいと思えることは、特別得意なことでなかったり、未経験だったとしても、自然と身に付いていくんですね。

私は、何かを選択をする際に後悔しないよう、自分だけのルールを決めています。そのなかに「ないならつくってみる」というものがあるのですが、それはまさに、このときの経験が出発点だったと思います。

大好きなロリィタファッションがビジネスにつながった

コスプレに目覚めた私が次に興味を持ったのが、ロリィタファッションです。きっかけは、中学2年生のときに読んだ古屋兎丸先生の漫画『彼女を守る51の方法』でした。ヒロイン・岡野なな子の強くたくましい姿と、彼女が着ていたゴスロリの服装に惹かれていったのです。

それから『KERA』などのロリィタファッションが掲載されている雑誌も読むようになり、どんどんのめり込んでいきました。

しかし、ロリィタ系の服は1着2万〜3万円が相場。中学生ではとても購入できません。

当時、私の家はバイト禁止かつお小遣い制ではなかったので、お年玉などの臨時収入で好きな漫画やゲームを購入していました。だからといって、パートタイマーとして働いている母にお金をせびるのは申し訳ないですし、そもそも親の好みのファッションではないので、買ってくれるはずもない。そこで最初は自分でロリィタ服をつくっていたわけです。

しかし、ある問題が発生します。当時のロリィタファッションは、金髪ツインテールが鉄板。さすがに髪の毛は染められないので、ファッションウィッグを探すことにしました。

そこで驚きの発見をします。フリマサイトや原宿などでは8000円程度で販売されているウィッグが、オークションサイトでは500円程度で出品されていたのです。

ただ、掲載されている写真の画質は最悪だし、商品の説明文も翻訳ソフトで変換したような怪しい言い回し。正直なところ、買ってもいいものか不安でした。でも、ほしいという気持ちのほうが上回っていたし、粗悪品をつかまされても500円なら安いもの。一か八か落札することにしました。

購入してから1週間後、私のハラハラする気持ちとは裏腹に、商品はあっさりと届きました。しかも実物は、オークションサイトに掲載されていた写真より数倍かわいい! その瞬間、「フリマサイトで市販価格より安めに設定したら売れそうだ」と閃きました。

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