新百貨店モデルの成功なるか--オープン近づく大丸・心斎橋北館の秘策

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 例えば、アパレル大手のサンエー・インターナショナルは、地下1階に「ジルバイジルスチュアート」、地下2階に「フリーズマート」を出店する。同社は大丸心斎橋店の北館開店に当たって、「百貨店がいわば業態転換をする試金石」(濱田博人・執行役員マーケティング統括本部店舗開発部長兼事業開発部長)とみなし、早くから協力を表明してきた企業の1つだ。

サンエー・インターナショナルは、百貨店向けブランドだけでなく、SCやファッションビル向けなどのブランドも多く取りそろえるが、前者の「ジルバイジルスチュアート」は東京の「ルミネエスト新宿店」や「池袋パルコ」など、どちらかというと駅ビル・ファッションビル向けと見られていたブランドだ。

しかも、今回、新たな取り組みとして、同ブランドと併設で「ジルスチュアートカフェ」を設置する。大丸との話し合いの中から生まれたアイデアだというが、「心斎橋には意外に女の子がお茶をする場所が少ない。北館の地下1階には吹き抜けなどの心地よい空間がある。これを活かし、集客装置の1つとすることになった」(濱田執行役員)。

もう1つの「フリーズマート」も、今年からサンエー・インターナショナルが最も力を入れている新ブランドの1つ。どちらかというとSC向けが中心だが、今回、百貨店に初の出店をする。「米国LA発ライフスタイル型のセレクトショップ」というのがコンセプトで、いわゆる米国西海岸のナチュラルで健康的なセクシーさもアピール。低価格というのもポイントで、従来の百貨店と価格からみれば半額程度の商品も多い。若年層を中心としながら幅広い女性顧客層を対象とする一方、キッズ服も10%程度配置する。「バギーカーで入ってくるお客様も意識し、導線に配慮した」(同)と、20代のヤンママなどもどん欲に取り込む構えだ。

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