トランプが2020年大統領選で優勢と読む理由 接戦になりそうだが結局は経済が物を言う?

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トランプ政権は「中国封じ込め」と「アメリカの経済成長」を両立できるのだろうか(ロイター/アフロ)

11月14日のコラム「米中協議よりも今後の株価に重要なことは何か」では「米中関税協議よりも、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和など経済安定化政策がアメリカ経済や株式市場にとって重要であり、日本を除く各国の拡張的な財政金融政策が2020年の世界経済底入れを前倒しさせる」、との見通しを述べた。

世界経済の製造業中心の循環的減速はまだ継続

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最近判明した世界各国の経済指標をみると、ユーロ圏ではドイツが7~9月がゼロ近傍の低成長となり、10月以降の購買担当者景況感指数(PMI)など先行指数である企業景況感も冴えず、10~12月も低成長が続きそうである。

同様に7~9月にほぼゼロ成長となった日本では、増税に伴う駆け込み需要の反動で10月にサービス業などで景況感が落ち込んでおり、10~12月は大幅なマイナス成長になると見込まれる。経済成長率の減速は中国などの新興国でもみられており、2018年前半から始まった世界経済の製造業中心の循環的減速はまだ続いている。今後発表される2019年内の経済指標が、成長率の回復を示す可能性は低いだろう。

一方、アメリカを中心に景気底入れの兆しは少しずつだが増えている。11月分のマークイット社(国際的金融情報サービス企業)によるアメリカのPMIは製造業、非製造業ともに前月からやや上昇した。世界経済減速、貿易停滞をうけて、アメリカ製造業の調整は当面続くと見られるが、ハイテクセクターを中心に在庫調整は進み生産が再び上向く土壌は整いつつある。

最も重要な点は、アメリカを中心に金融財政政策の景気押し上げ効果が出ていることだ。FRBの利下げ転換によって2018年末には3%前後だった長期金利(10年満期)は一時1.5%を下回る水準まで大きく低下した。そして、2018年の減税政策の支えもあり、個人消費は2%を優に上回る伸びが続き、2018年に減少していた住宅販売は2019年から増加に転じた。さらに2019年には、インフラなど政府部門の支出が拡大しておりアメリカ経済の成長を底上げしている。

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