「ニベア」が50年で圧倒的な地位を築けた理由 定番品が「手軽なコスメ」で再ブレイク
その1つが1982年から始めた限定販売の「デザイン缶」だ。初代は通称“メルヘン缶”と呼ばれ、以後、「花」(1987年)、「ペンギン」(1995年)、「うさぎ」(1997年)などのデザイン缶も登場。「ちびまる子ちゃん」で知られる、さくらももこさんデザインの缶は話題を呼んだ。現在もデザイン缶は限定販売され、「完全収集」を目指すファンもいると聞く。
美容サイトの「コスメ大賞」も追い風に
安定していた日本のニベアの勢いが増したのは、2011年の取り組みからだ。
「グローバルでの発売100周年を機に中断していたCMも再開。これを機に売り上げが拡大しました。ニベアクリームの売れ行きは現在、日本がナンバーワンです」(雨宮氏)
2年後、追い風が吹く。コスメ・美容の情報サイト「アットコスメ」(@cosme)の「2013年@cosmeベストコスメ総合大賞」を受賞したのだ。これ以降、10代や20代の注目度も高まり、メーカーが言ってこなかった「青缶」という言葉がネット上で沸騰した。
また、「顔にも使えるスキンケアクリーム」という性能も再訴求するようになった。
「ニベア=ハンドクリームと誤解される人も多いのですが、手にも顔にも身体にもご利用いただける商品です。顔用に使う娘さんが、お母さんに勧めてくださるケースもあります」(雨宮氏)
さらにネット上で「実はニベアの成分は、高級ブランド『ドゥ・ラ・メール』に近い」という情報が流れ、美容意識の高い女性の注目も浴びた。
今回、筆者は仕事上で付き合いのある、何人かの“美容番長”(20代と30代)にも聞いたが、全員が「ドゥ・ラ・メールとニベア」の話は知っていた。そのうちの1人は「ニベアをまつ毛に塗ると、伸び効果が実感できる」という話もしていた。
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