「ニベア」が50年で圧倒的な地位を築けた理由 定番品が「手軽なコスメ」で再ブレイク

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「ニベアでは、人種・性別・年齢を問わず、基本の肌は同じという考えです。クリームの基本となる成分設計は、発売当初と今のものでほぼ変わらない。日本のニベアクリームは、スクワランやホホバオイルなども配合しますが、海外のニベアクリームと大きな違いはありません」(雨宮氏)

そう言われて容器の裏を見ると、「Made in Japan」と記されていた。後述するが、こうした機能性以外の価値も見逃せない。

ブルーの缶は1925年から販売

歴史のある都市では古くからの建築物が残り、「変わらないのも文化」と考える欧州の基本思想でいえば、ニベアはまさに欧州型の商品だ。

「NIVEA(ニベア)」はラテン語で“snow-white”(雪のように白い)という意味。純白のクリームがブランド名を象徴する。発売された1911年は日本では明治末期で、最初の容器は「アールヌーヴォー缶」と呼ばれる、アールヌーヴォー調の装飾的なデザインだった。

現在の「ブルー缶」の原型が登場したのは1925年で、すでに1世紀近くになる。

1968年の日本発売時、合弁相手の花王側スタッフを驚かせたのが、この容器と青色だった。「靴クリームの缶みたい」「日本の女性には好まれないのでは」といった花王側の意見に対して、バイヤスドルフ側は「清潔・シンプル・調和を表す、このパッケージこそがニベアブランドだ」と一切譲らなかったとか。これは17年前、筆者が取材で聞いた話だ。

「これまで築かれてきたブランド資産を大切にする一方で、飽きさせない工夫をしてきました」(雨宮氏)

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