「ニベア」が50年で圧倒的な地位を築けた理由

定番品が「手軽なコスメ」で再ブレイク

新規参入が少ないのは市場特性もある。競合は高付加価値訴求を行い、高額商品も展開する。そうなると、ワンコイン(500円玉)以下で買える保湿クリームには参入しにくい。

ニベアの歴史は古い。発売されたのは1世紀以上前の1911年。日本発祥と思う人もいるが、ドイツ・バイヤスドルフ社の商品だ。ニベアクリームは現在200以上の国・地域で販売され、年間約4億3000万人以上が愛用。日本での累計販売数は2億個を超える。

ちなみにバイヤスドルフ社の前身は、1880年にドイツのハンブルク市で開業した薬局で、ばんそうこう製造工程の特許取得を機に、医療品メーカーとして成長した。日本で製造販売する「ニベア花王」は、バイヤスドルフ社と花王の合弁企業だ。

人種・性別・年齢を問わないクリーム

これまで10年以上、同ブランドに携わってきた雨宮氏は、「なぜニベアは売れ続けるのか」という筆者の質問に対し、まず特長から説明した。

ニベア花王のブランドマネジャー・雨宮綾子氏(筆者撮影)

「ニベアクリームの商品特長は3つあります。白色のクリームと、リッチなテクスチャー(質感)、そして香りです。

スキンケアクリームには、ウォーターベース(水性)とオイルベース(油性)があり、多くの商品は水性ですが、ニベアクリームはオイルベースです。その特長は、肌へのうるおい補給に加えて、肌表面に油性の膜をつくることで肌を保護してくれる点。ニベアクリームはリッチなクリームで、このクリームが肌にしっとりとなじみ、乾燥から守ります」

そこは理解できるが、世界中で売れる理由が腑に落ちない。国や国民性が違えば消費生活も異なる。ヘアケア商品は、例えば日本と欧米では売れ筋が違うはずだ。

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