中学受験「高学年で伸び悩む子」の典型パターン 大事なのは「時間の主導権」を子供に渡すこと
私は長年、中学受験専門の個別指導教室の代表として、さまざまなご家庭の教育相談を受けてきました。勉強のやり方がわからない、大手進学塾の授業のスピードについていけない、苦手科目が克服できないなど内容はいろいろですが、とくに多いのが「高学年になってから成績が伸びなくなった」というご相談です。
そういうご家庭に「お子さんが小さい頃、どんな過ごし方をされていましたか?」とたずねると、多くが「習い事をたくさんさせてきた」「低学年から塾に通わせていた」と、とても教育熱心なのです。そしてお子さん自身もがんばり屋。
こういう子はみんな低学年まではいい成績をとり続けますが、4、5年生あたりから「あれ? なんかおかしいなぁ〜」とばかりに、一生懸命勉強をしているのに成績が伸びにくくなる子が出てきます。本人は努力しているのに、伸び悩んだまま入試を迎える子も少なくありません。
急に成績を伸ばす子の特徴
一方で、学年が上がるにつれてグングン伸びる子がいます。4年生のときは、「授業のスピードが速すぎてついていけない」「こんなにたくさんの宿題はできない」とムラッ気を見せていたのに、1度ペースをつかむと、まるで別人?と思うほどメキメキと力をつけてくる。そして、あれよあれよと成績が上がり、入塾時には考えられなかった難関校に合格してしまうこともあります。
この違いはいったい何だろう?と考えてみたとき、私はこれまでたくさんのご家庭を見てきた経験から、1つのことに気づきました。それは、小さいときにどれくらい熱中体験をしているか、が大切だということです。
4年生の段階では勉強のペースがつかめなかったAくん。お母さんに話を聞くと、小学校低学年までは勉強は学校の宿題だけで、あとは毎日外遊びをしていたと言います。
家に帰ってくると、あるときは「めずらしい虫を見つけた〜!」と手につかみ、あるときはキレイな形をした石をポケットに入れ、うれしそうに見せてくれたそうです。そして「この虫、なんていう名前なんだろうね?」「この石は何でこんなにツヤツヤしているのかな」と、お母さんと一緒に図鑑を広げ、調べていたそうです。
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