中学受験「高学年で伸び悩む子」の典型パターン 大事なのは「時間の主導権」を子供に渡すこと
子どもにとって楽しくて夢中になれることに対しては、学びのセンサーが全開になります。Aくんにとっては「遊び」でも、目の前にあるいろいろなことに興味を持ち、それを知りたいと行動に移し、自分の知識として蓄えてきた。このことが、のちの勉強へとつながっていったのです。
例えば理科の生物を勉強したとき、「あっ! あのとき見つけた虫にはこういう特徴があるからこのグループなんだな」と理解が深まる。こうしたつながりがおもしろいから、理解したことが使える形で頭に残る。塾に通い出した当初はテキスト主体の勉強に慣れませんでしたが、勝手がわかってくるにつれ大きく伸びてきたのは、この「生きた理解」があったからです。
そして、もう1つよかった点は、親御さんが夢中になるわが子の姿を温かく見守っていたことです。子どもはお母さんとお父さんが大好き。親の愛情を感じながら、自分が好きなことをして遊ぶというのは、子どもにとって何よりの安心感と幸福感をもたらします。
こうしたプラスの感情をベースに持ちながら幼少期にたっぷり遊んで学んだ子は、必ず後伸びします。幼少期に「満足がいくまで遊んだ」「納得がいくまでやりとげた」といった経験があると、たとえ途中で壁にぶつかっても、「自分ならなんとか乗り越えられる」という強い心が後押しします。そしてここぞというとき、ものすごい集中力を発揮するのです。
ものを「数える」だけで学びになる
中学受験は国語・算数・理科・社会の総合点で合否が決まりますが、算数の得点力が合格のカギを握るといわれています。教育熱心な親御さんが小さいときからドリルに手を伸ばす気持ちもよくわかります。早い段階から数の感覚を身に付けられれば、算数の力にもつながります。でも「数で遊ぶ」だけでも子どもの数感覚を身に付けることはできます。
小さい子どもにとっては、日常のすべてが遊び。小さい子どもに数を教えてあげるときは、まず一緒に声に出して数えるといいでしょう。1から10まで数えられるようになったら、実際に目の前にあるものを数えてみます。
例えばダイニングテーブルに何かものを並べて、「いくつあるか数えてみて」という具合です。そうやって、日常にあるものをたくさん数えさせていきます。たくさんの数がいえるようになったら、歩数を数えることをおもしろがる子もいます。
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