もし、子どもが「疲れた。宿題やりたくない」と言ったら、親は「何言ってるの。やることやらなきゃダメでしょ」と跳ね返してしまいがちです。でも、これだとますますやる気がなくなってしまいます。そこで、まずは「宿題があるんだ。大変だね」とか「部活で疲れて宿題もあって大変だ」と共感してあげてください。すると、子どもは「自分の大変さがわかってもらえた」と感じて、少しは気持ちが安らぎます。
そして、しばらくしてから、様子を見ながら「そうは言っても、全然やらないわけにもいかないから、半分だけやってみようか」など、前述のようにハードルを下げて促します。すると、自分の大変さをわかってくれている人が言ってくれているので、「しょうがない。やるか」という気になりやすくなります。
ただダメというのでは不十分
「○○だから□□しよう」というように、理由をつけると説得力が高まります。「寝てる人が起きちゃうから、声の大きさを半分にしよう」や「走ってお年寄りにぶつかると、お年寄りの骨が折れちゃうかも。一生歩けなくなってしまうかもしれないよ。だから走るのはやめよう」などです。「走っちゃダメ!」と大きな声で叱りつけるより、子どもの目の高さで穏やかな声で、このように諭したほうが効果があります。
「こぼしちゃダメ」と言うより、「こぼさずにできるね。上手」などと取りあえず褒めたほうがうまくいきます。親は、「できるようになったら褒めよう」と思っています。だから、いつまでも褒められないのです。やらせたいことは、先に取りあえず褒めましょう。褒めたらできます。「できたら褒める」でなく「褒めたらできる」で臨みましょう。
「何度言ったら(あなたは)守るの?」とか「なぜ(あなたは)こんなに遅いの? もっと早く帰ってこなきゃダメでしょ」などの言い方は、”あなた”を主語にしているのでユーメッセージといいます。ユーメッセージには、相手を非難する要素が入りやすいという特徴があります。
ところが、”私”を主語にしたアイメッセージに変えると、「守ってくれると(私は)うれしい」とか「帰りが遅いと(私は)心配だよ」などとなり、非難する要素が入らなくなります。それによって、言われたほうも素直に受け入れられるようになります。
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