名古屋の中島さん(仮名)は、子どもに何かやってほしいことがあるとき、ユーモアを交えて言うようにしています。例えば、子どもを起こすときには「10秒で起きたら天才。20秒なら凡才。30秒ならチンゲンサイ。チンゲンサイなら食べちゃう。用意、ドン。1、2、3……」と言います。すると、子どもは29秒ぐらいのところで笑いながら起きるそうです。「起きないとくすぐっちゃうよ」も効果的だそうです。こういうやり方なら、楽しく起こすことができます。
また、静岡の金子さん(仮名)は、ある日、子どもが食後の歯磨きを忘れたので、「食べ終わったらやることって何だったかなあ。ああ、思い出せないよお。さっきまで覚えていたのに忘れちゃったよお」と言ってみました。変顔をつくったり、頭を抱え込んで身もだえしたりしながら言ったそうです。すると、子どもが「歯磨きだよ! パパ忘れちゃったの?」とうれしそうに言いながら洗面所に走っていき、歯を磨き始めたそうです。
今紹介した金子さんのように、子どもに教えてもらう形にすると子どものやる気を引き出すことができます。
中野さん(仮名)の家庭では、長男が夕食後の食器洗いのお手伝いをすることになっているのですが、やった後が汚くて、周囲に水が飛び散っていることが多いそうです。そこで、ある日曜日に、中野さんが昼食後の食器洗いをし終わったところで、長男に「食器洗いした後が水浸しになっちゃう。なんでだろう? あなたは上手にできるけど、何かコツがあったら教えて」と聞いてみました。
すると、長男が「洗ったら軽く一回振ってから水切りかごに入れればいいよ」と教えてくれました。中野さんは内心「自分もそんなことしてないくせに」と思ったそうですが、「なるほど、それはいいね。これからそうするよ」とほめました。
そして、夕食のときに長男が食器を洗う様子を見ていると、ちゃんと自分が言ったようにしていました。すかさず、「上手だね。軽く一度振れば水がこぼれなくていいね」とほめました。長男は、この日を境にきれいに作業できるようになったそうです。このように、子どもに「教えて」と頼むことで望ましい行動を引き出すのはとてもよい方法です。
子どもと競争してみる
「ノロノロしないで速くしなさい!」をやめて、「どっちが速いかパパと競争だ。用意、ドン」と言ってみましょう。ちょっとしたゲームのようになるので、小さい子ならかなり乗ってきます。ほかにも、「着替えっこ競争」「どっちが上手か、片づけごっこ」なども効果的です。
前述の金子さんは、行動が遅くてマイペースな子に、「シンカリオンよりはやく。2倍速だ。スイッチオン」「ハヤレンジャーに変身、スイッチオン」などと言うそうです。
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