月2万で古民家シェアを実現した夫婦の家計簿 別荘を買わずに田舎の余暇を満喫するには?

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田舎の「自然」と「家族」を、レジャーで結び付けることができないものか。もともと研究熱心だった松宮さんは、家計費から「レジャー費」をできるだけ多く捻出する方法について考え始めました。子どもが生まれてからは夫婦2人で外食する時間もなくなりましたが、教育費は貯めつつ余計な出費を控えて、その分をレジャー費に回すようにしました。

しかし、松宮さん夫婦がレジャー費として毎月捻出できる金額は、ご主人の稼ぎから2万円、松宮さんからも2万円の合計4万円が限度でした。子どもたちが小さいので宿泊費などは安く上がるとはいえ、この金額ではレジャーに行ける回数も行き先も限られてしまいます。「思い切って別荘を購入してしまおうか」とも考えましたが、維持費がかかるのが難点です。

そんなとき、松宮さん夫婦は「古民家のシェアハウス」という、田舎の新しいレジャーを知ったのです。

外房に月2万円で借りた「古民家のシェアハウス」

自宅のある浦安から車で1時間半、場所は千葉県いすみ市です。同市は千葉の外房、御宿の北側に位置し、海あり、山あり、田畑あり。古民家への「移住体験会」に参加してみると、まさに松宮さん夫婦が望んでいた自然環境がありました。子どもたちは古民家から出たり入ったりして遊び回り、その姿を見ているだけで幸せな気持ちになりました。

「ひとときとはいえ『田舎暮らし』は子どもの貴重な体験になるし、私たち夫婦にとっても楽しい余暇になるかも」

松宮さん夫婦は話し合い、古民家のシェアハウスを借りることにしました。

松宮さんが借りた物件は、3世帯でシェアしています。いすみ市の古民家の物件相場は6~7万円。1世帯につき2~3万円の負担で借りることができます。光熱費とガソリン代などを加えても、松宮さんの予算に収まりました。

光熱費も3世帯のシェア。トラブルは発生しないのでしょうか? 聞けば、「ある月、電気代がとても高いことがありました」とのこと。しかし、不動産会社が3世帯に確認したところ、電気ストーブの長時間利用によるものと判明。「利用を控えるようにみんなが気をつけるようになり、電気代の問題は発生しなくなった」と言います。不動産会社のアフターフォローがしっかりしているようでした。

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