「しつこい頭痛」エビデンスで見る正しい対処法 9割の人の症状は実は3つにわけられる

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では、治療はどうなるでしょうか。緊張性頭痛と片頭痛の場合、比較的軽い症状であれば、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどといった一般的な痛み止めで治療が可能です。これらは風邪薬や生理痛の薬と共通の成分です。つまり、市販薬でも十分有効な可能性があります。

症状が重い場合、あるいは上記の痛み止めで効果が不十分の場合には1度、医療機関にご相談いただいたほうがいいでしょう。診断によって、治療は大きく変わります。

また、痛い時の「治療」だけではなく、痛みを出さないようにする「予防的な治療」というのもあります。

例えば、片頭痛をお持ちの方なら、以下のような方がこの「予防的な治療」を受けることが妥当です。

・発作が週に1回は必ず起こってしまうなど、頻繁に発作を経験する方
・持病や常用薬との飲み合わせの問題で、発作時の治療が十分受けられない方
・痛み止めを飲んでいるにもかかわらず症状が重く、生活に支障をきたす方

発作の頻度を減らしたり、発作の程度を軽減したりする効果が期待できます。この場合、うつ病やけいれんに用いられる薬剤が有効であることが臨床研究で示されています。

また、リボフラビンと呼ばれるビタミンB2のサプリメントが有効とする報告もあります。このリボフラビンは他の薬物治療と異なり、副作用がほとんどないため、米国の医師には好まれて使用されています。ビタミンB2を試される場合には、病院で処方することはできませんが、1日当たり400mgを最低3カ月程度は飲み続ける必要があります。これにより、頭痛の頻度や痛みの程度が軽減されることが報告されています。

鍼治療が有効だったとする臨床研究もあります。プラセボ効果が否定できないものですが、痛みが楽になるのであればいいかもしれません。薬剤に抵抗のある方にとっては、このような選択肢も考えられるかもしれません。

問診あっての診断、診断あっての治療

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頭痛の原因を探るとき、検査に頼るのではなく、症状の変化や性質といった頭痛の特徴を捉えることで診断がつくということがおわかりいただけたのではないかと思います。

また、適切な治療を行ううえでは、適切な診断をつけることが重要です。医療機関で相談する際には、こうした一定の知識を持ったうえで行くと、納得が得やすくなるかもしれません。

山田 悠史 米国老年医学・内科専門医

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やまだ ゆうじ / Yuji Yamada

慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビ『FNN Live News α』のコメンテーター、 WEBマガジン『ミモレ』やニュースメディア『NewsPicks』の連載の他、コロナワクチンの正しい知識の普及を行う一般社団法人コロワくんサポーターズの代表理事、カンボジアではNPO法人APSARAの常務理事として活動。著書に『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』(講談社刊)、『健康の大疑問』(マガジンハウス新書)がある。Twitter:@YujiY0402

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