朝礼専門誌が伝授「スピーチネタ考案」4の秘技 朝礼一筋36年「月刊朝礼」編集部直伝のネタ元

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1、意外と知らない発見がある「言葉の語源」

まず注目したいのは「言葉の語源」です。語源を調べると、意外と知らない面白い発見がたくさんあります。

例えば「もったいない」という言葉は、本来は仏教用語だったという説があり、これだけで1つのネタになります。

「勿体(もったい)」とは、「物の本来あるべき姿」を表していたというのです。つまり「もったいない」は「本来あるべき姿ではない」という意味。この話を発展させれば「得意なことや知識、経験は人や社会のために使うのが、本来あるべき姿ですから、それを生かさないのはもったいないことです」という話がつくれます。

なお、語源に複数の説があるケースも多々あるでしょう。その場合には「諸説ありますが」「1つの説ですが」とひとこと断っておきましょう。

ネタ元ごとにメリットがある

2、話を膨らませやすいのは「漢字の成り立ち」

漢字の成り立ちやつくりも、朝礼のネタになる話題の1つです。例えば『月刊朝礼』では「親」という漢字を使ってネタを掲載したことがあります。

「親という漢字の成り立ちについては諸説ありますが、『木の上に立って見る』と書きます。木の上に立って、心配しながら子どもを見守る姿のようにも思えます」という導入から「近年、親が子どもに干渉しすぎる傾向があります。ときに1歩下がることで、子どもは自分で決断して行動することを学ぶのです。社会人ならなおさら、上司は1歩下がって任せる必要があります」と続け、1つのネタに仕上げました。

意外かもしれませんが、漢字の成り立ちは話を膨らませやすいという特徴があります。本来の成り立ちがわからなくても、漢字のつくりを話題にすれば上記のような話ができるでしょう。さらに生活のなかで誰もが使うものなので、興味の温度差が出にくいのもメリットです。

3、知識量を問わないのは地域の歴史

地域の歴史も、語源や漢字と同様にお勧めです。有名な歴史上の人物をネタにしてしまうと興味の有無がはっきり分かれてしまうのですが、会社の周りなど身近な地域の歴史だと、実際に親しみのある場所なので興味を持ってもらいやすいのです。話題に出せば「そういえば見たことがあるな」と思ってもらえることも。

しかも、聞き手の知識量も問いません。例えば「会社の前の公園にある石碑を知っていますか」などの身近な地域の歴史については、みんな意外に知らないものです。

いつも使う電車の開通はいつだったか、などを調べるのもいいでしょう。「普段から利用している公園や交通機関の歴史を知ると、つくってくれた人に感謝の気持ちが湧いてきます」などと締めくくれば、それだけで立派なスピーチとして成立します。

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