「多様な入試」で合否を決める私立中のホンネ 入学後に「伸びしろ」ある生徒に門戸開く

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皇居にも近い都心の共立女子中学校(東京都千代田区)は1学年8クラス、約320人と都内の女子校としては屈指の生徒数を誇る。高校から募集を行わない完全中高一貫校で、教育方針の1つに「他者と関わる力を大事にし、コミュニケーション能力を高める」というものがある。高校1年生までは全員が同じカリキュラムで学び、毎年クラス替えを行うのもそのためで、「東京一出会いの多い女子校」というキャッチフレーズ通り多彩な個性がぶつかりあう。

「私立校には教育理念に賛同してくださる方が集まるので、自然と同質性が高くなります。だからこそ経歴や学習歴がバラエティーに富んでいて、異なった視点でものを考えられる生徒が多数在籍する環境がプラスに働くのではないかと考えています」、そう話すのは同校広報部主任の金井圭太郎先生だ。

どんな入試があるのか?

その考えをメッセージとして伝えるため、入学試験は海外帰国生入試と4科型入試に加え、「合科型入試」と「インタラクティブ型入試」を導入している。入試は中高6年間の入り口だからこそ、多様な尺度で評価することを盛り込んだ。

「合科型」は国・理・社を複合的に合わせた「合科型論述テスト」と算数単独の試験を行った後、グループワークを盛り込んだ面接を行う。「合科型論述テスト」は長い会話文や地図、表から情報を読み解き、設問に対して自分の考えを記述する形式で、細かな知識よりも考える力や文章で表現する力を測るのを目的としている。また算数は4科型入試とは異なる出題で、途中式も採点対象としたり自分で問題を作ったりもする。

筆記試験に引き続いて行われる面接は6人程度のグループで実施。課題についてまとめた意見をほかの受験生と共有し、感想を述べ合うなどしたのち、発表資料を作って面接官に発表する。採点は加点式なので、例えば人前で話すのが苦手な受験生でも趣向を凝らした発表資料を作れば評価が得られる。また、ほかの受験生とどう関わりを持てるか、なども評価になる。

一方、筆記試験や面接で英語力を測る「英語入試」は近年、急速に増えているが、同校の「インタラクティブ入試」は算数の筆記試験と、英語を使ったゲームや対話の様子を観察評価する「インタラクティブトライアル」の2科で行う点で特徴がある。

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