これらの回答から見えてくるのは、慎重に他社との状況を見極めながら少しでもよいポジショニングを取れる状況に身を置きつつ、副業・兼業などで将来に備えておきたいという、しっかりと予防線を張った堅実な姿勢といえるでしょう。
では、こうした若手社員を定着させるためのカギは、いったいどこにあるのでしょうか。
能力・スキルはどう変わった?
入社当時と比べて、仕事を行ううえでの「能力・スキルがどう変わったか」を尋ねたところ、「上がった」「少し上がった」の合計が65.0%いるのに対し、「下がった」「少し下がった」の合計は11.3%となりました。
また、上がった(少し上がったも含む、以下同様)人の「仕事への満足度」との関係を見たところ、「上がった」人は「満足」の合計が73.8%であるのに対し、「下がった」人は「不満」の合計が44.4%となりました。同様に、転職への考え方を見てみると、スキルが「上がった」人は、転職するつもりはない割合が高く、「下がった」人は転職を検討している割合が高いこともわかりました。
自分の能力が高まっていると感じられれば、仕事の満足度も高まるというのは、ある意味自然なことといえます。
ところで、現在の職場内に、「目指したい上司、目標としたい人がいるか」を尋ねたところ、「いる」が63.5%、「いない」が36.5%となりました。自分の職場だとしたら、割合は変わるでしょうか。
そして、「目標にしたい人の有無」と「能力・スキルの変化」の関係を見ると、目標にしたい人が「いる」人が、能力・スキルが「上がった」割合が圧倒的に高いということが明らかになりました。優秀な上司、先輩がメンター的な存在として、OJTなどで仕事を教えていることも推測できますし、バリバリ活躍する姿に刺激を受けたり、仕事のやり方をまねたりすることで、自然と能力・スキルを高めていることが考えられます。
逆に言えば、目標にしたいような人もいない職場は、見切りをつけて転職したい、ということの裏返しといえるでしょう。
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