また、「会社のビジョン・戦略と自分の仕事のつながり」との関係を見ると、目標にしたい人が「いる」人が、つながりを「感じる」とする比率が高い結果となりました。
つまり、職場に目標とする人がいることが、若手社員の「能力・スキルアップ」や「会社のビジョン・戦略とのつながり感」、ひいては、仕事や会社組織への満足、会社への定着に結びついていることが確認できたのです。
部下とのコミュニケーションも大切に
売り手市場の中で採用した若手社員を早々に辞めさせることなく育成していくことは、職場内での課題の1つです。近年は、リモートワークなども進み、働き方が柔軟になって個別化する一方、コミュニケーションの希薄化が指摘されることもあります。コミュニケーションがうまく取れない職場では、ハラスメントも起きやすいともいわれています。
部下のモチベーションを高め、やる気を引き出すためにも、また会社のビジョンなどを浸透させるためにも、コミュニケーションのあり方について、改めて考えてみる必要はあるでしょう。
なによりも、上司・先輩の立場として働く人にとっては、自分自身が充実感を持って仕事に取り組めているか、ということは振り返ってみる必要があるかもしれません。そうした思いは、言葉に出さずとも態度や空気で伝わるものです。そして、自分が思っている以上に、部下は一挙手一投足を見ています。
もちろん、給与の高さや休暇の取りやすさ、職場環境、福利厚生といった「衛生要因」もまったく否定することはできません。こうした要因が不十分だと感じられると、仕事への不満につながりやすくなります。ただ、不満の要因をいくら取り除いても、それがモチベーションにつながるわけではありません。
若手社員のやる気を高めるには、目標となる人のもとで、教えを請いながらチャレンジングな仕事が与えられ、適正な評価・フィードバックを受け、自分自身の能力・スキルも高まっていることが実感できる「動機づけ要因」にアプローチすることが大切といえるでしょう。
若手社員の職場定着のカギは、目標としたい人がいるかどうか、つまり「優秀な上司にある」といっても過言ではありません。上司の立場にあれば、身の引き締まる思いもするでしょうが、つねに見られていることを踏まえながら、責任ある行動をしたいものです。
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