やる気がない人ほど「まず手を動かすべき」理由 どれだけ退屈でも集中力は後からついてくる

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すると、どうしたことでしょう。休憩している間もその文章のことが完全には頭から離れず、「次はどんなふうに展開していこうかな……」と頭の片隅で無意識に考えてしまう。まさにパソコンのスリープの状態に近いかもしれません。表面上は停止しているように見えつつも、バックグラウンドでは動いている状態です。

いざ作業を再開すると、頭の片隅で気になっていただけに、ごく自然にまた作業に向かえるし、中断前の集中状態にもすんなり入れるというわけです。

このように、やり切ったことよりも達成できていないことのほうが、より強い印象として残るという現象を、「ツァイガルニク効果」と呼びます。そしてじつはこれ、集中力が高いといわれる人ほど実行していたりするんです。

「受験の成功者」が実践する勉強法

以前、あるテレビ番組で受験に成功した高校生や大学生を呼んで、彼らの勉強法を聞いてみたことがありました。すると多くの人が、休憩したり寝るために勉強を離れるときは、キリの悪い中途半端なところでやめていたのです。

問題集はキリのいいところまで解かないで、あえてハンパなところでやめる。例えば大問を終えてからやめるのではなく、(1)〜(5)ある小問のうち(3)を解いている途中でやめてしまうという具合です。こうすることで、ごく自然にまた勉強を始められる。受験に成功した人の多くは、こうした工夫を日々繰り返していたのです。

また、キリの悪いところでやめることで、ほかのことをしているときでも頭が完全にオフではなくスリープの状態になることは先ほどご説明しましたが、意外とスリープ状態のときにいいアイデアや答えが出てきたりするものです。例えば仕事で行き詰まったら、そこでいったんトイレに行く。するとトイレに入っている間に「これだ!」という案が思い浮かんでくる、というようなことです。

というわけで、みなさんも中断するときはぜひキリの悪いところでやめてみてはいかがでしょう。企画書は項目の途中でやめる。メールは1通を書いている途中でやめる。これを追求するなら、思い切って文章をやめるときは「。」ではなく「、」のところでやめてしまったり、数学の図形の問題なら補助線を引いたところでやめてしまうのもいいかもしれません。

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