ケガ人続出「米国で一番危険な遊園地」の実態 18年間で6人死亡したアクション・パーク
アクション・パークはニューヨーク市の北西80キロのところにあった。かなり前にずっとおとなしい施設へと模様替えし、今では別のオーナーの下、「マウンテン・クリーク・ウォーター・パーク」という新たな名前で運営されている。
アクション・パークは「おかしくてヘンテコで強烈で、なのに闇を感じさせる」場所だったと、ドキュメンタリーの共同監督兼プロデューサーをクリス・チャールズ・スコットとともに務めるセス・ポージズは言う。
「あそこではみんながケガをした。この映画を作るに際して最も難しかった部分は、それをどう描くかだった。一人前の大人になる体験をした場所と好意的に思い返す人は多いけれど、その楽しさと被害のバランスをどう取るべきか」
18年間に死亡事故が6件発生
メリーランド州で育ったポージズは、少年時代に家族でアクション・パークを訪れたことがある。「ありえないようなマシンとか、ルーニー・チューンズのアニメに出てきそうなウォータースライドとか、混沌としたいかれた雰囲気を覚えている」と彼は言う。
また彼は、1980〜90年代のアクション・パークの広告も覚えている。「広告にはあたかも家族向きで健全で子供連れにぴったりの場所であるかのように描かれていた」と彼は言う。「(でも)パークに着けば、現実はそうでないことがわかる」。
地元情報誌『WeirdNJ』 によれば、人気ドラマ「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」のオープニングに出てくる場所を全部言えるかどうかと、アクション・パークで大ケガをしたことがあるかどうかでニュージャージー育ちかそうでないかがわかるという。
アクション・パークでは1984年からの2年間で少なくとも骨折が14件と頭部のケガが26件、発生したとの記録が残っている。病院へのケガ人の搬送に役立てるため、アクション・パークは地元自治体に新しい救急車を寄付したほどだった。
死亡事故も起きており、1978年の開園から1996年の閉園までに6人が命を落とした(パークは数年後、別のオーナーの下で営業を再開したが再び閉園。その後、再オープンした)。1982年には、1週間のうちに死亡事故が2件相次いだこともあった。犠牲者の1人は15歳の少年で、悪名高い「タイダル・ウェイブ・プール」で溺れた。もう1人は27歳の男性で「カヤック・エクスペリエンス」という乗り物で感電死した。