ケガ人続出「米国で一番危険な遊園地」の実態 18年間で6人死亡したアクション・パーク

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「(アクション・パークに対し)訴訟を起こす人はほとんどいなかった」とポージズは言う。「最終的には閉園となったが、それは規制当局から『お前はおしまいだ』と言われたからではなく、倒産したからだ」(カヤック・エクスペリエンスの事故について州の労働省は、法規違反はなかったと判断するとともに、水中のプロペラからの電流で重い傷を負った可能性があると指摘した)。

ポージズは大学でジャーナリズムを専攻し、『マクシム』や『ポピュラー・メカニクス』といった雑誌で編集者を務めた経歴を持つ。そんな彼の目に、アクション・パークはいいネタと映った。

伝説より奇妙でいかれたものだった

「私はもともとジャーナリストだ。自分の専門を生かすのにいいチャンスだと思ったから、調べてみることにした。アクション・パークの真の物語――それは伝説よりも奇妙でいかれたものだった」

伝説の中には、ダミー人形を新型ウォータースライドで滑らせたら体の一部が取れてしまったというものもある。取れた箇所は頭だとか足だとか腕だとか諸説ある。

アンディ・マルビヒル(56)によれば、この伝説は実話だ。彼の父ユージーンは、アクション・パークの創業者で長い間オーナーを務めていた。マルビヒルは事件を実際に目撃。そしてダミー人形が壊れた後に、人間として初めてスライドを試したのも彼だった。

ウォータースライドを笑顔で楽しめるかどうかは速度と動きのコントロール次第(写真:Andy Mulvihill via/The New York Times)

「アイスホッケーの防具を身に着けて臨んだ」とマルビヒルは言う。大事なのはスピードだった。「もし十分にスピードが出ていないと、落ちて顔をぶつけてしまう。あまりひどくぶつかると、鼻が折れたり歯が飛んだりする可能性がある」。

マルビヒルによれば、このスライドは短期間使われては閉鎖されるというのを繰り返した。乗り物やスライドは「だいたいは地味なものが多かった」と彼は言う。「だが速度と動きを自分でコントロールしなければならないものもあり、無茶をすればケガをする可能性があった」。

ポージズに言わせれば、ユージーンは「ショーマンシップに富んだ宣伝マン的ビジネスマン、(有名なサーカスの興行師)P・T・バーマンとウォルト・ディズニーを足して2で割り、ほんの少しトランプ風味を加えたような人物」だ。

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