「塾の信者」になった親が子どもをつぶす実態 中学受験ははたして教育虐待なのか

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第1志望に合格できる子が3割と言われている中学受験です。7割の子は合格できないのです。そのとき、例えば親が「たとえ第1志望に行けなくても、大丈夫。こんなに頑張ってえらかったね。これから、あなたは何にだってなれるんだから、大丈夫」と伝えられればいいのですが、そうできない親の子どもはそのまま劣等感を持ち続け、第3志望の学校でも劣等生になってしまうこともあるのです。

つまり、中学受験の最大の効能はおそらく「基礎学力」がつくことですが、最大の欠点は一部の子どもの「自己肯定感」を奪うことです。自己肯定感は、社会を生き抜くための心の基礎となり、大きなエネルギーとなるものです。よって、自己肯定感を奪うことは教育虐待だと、私も強く訴えたいのです。

1浪しても英語で200点中140点

塾の「言いなり」になることが、子どもを潰す可能性があるとつくづく感じたエピソードがあります。

作家の林真理子さんが震災で親を亡くした震災孤児の教育支援をしていました。その支援の1つに、医学部の授業料の全額支援があります。その有力な候補の男の子がいました。彼の親は震災そのもので亡くなったわけではなく、震災後の過労で震災から2カ月目に亡くなってしまったのです。

お父さんはお医者さんで、男の子もその遺志を継いで医者になろうとし、仙台へ出てトップの高校を卒業しました。現役のときに医学部を受けて全滅、1浪目は大手予備校の仙台校・医学部コースといういちばん高額なコースに入りました。

私がその子に出会ったのは、2浪目の夏休み。つまり現役、1浪目がダメで、成績が伸びないために、林真理子さんの紹介で会うことになったのです。英語のセンター試験の模試で1浪を終えているのに200点満点中140点しかとれていません。医学部には厳しい成績だと思ったのですが、ふと気づいたことがあり、こんなやりとりをしました。

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