「塾の信者」になった親が子どもをつぶす実態

中学受験ははたして教育虐待なのか

教育虐待という言葉がマスコミでも取り上げられています。2016年に中学受験の勉強をさせる父親が息子を死なせた悲しい事件もあり、「中学受験」は教育虐待の最大の敵としてやり玉にあげられています。はたして、中学受験をすることは「教育虐待」なのでしょうか。

この言葉が出てくる以前も、「中学受験をすると性格がゆがむ」などと言われてきましたが、本当にそうでしょうか。

最大の危険は「劣等感」を与えること

私はひとえに「やり方次第」だと思います。子どもが受験で失敗したとき、それは子どもの頭が悪いせいではなく、勉強不足でもなく、むしろ「やり方」や「教え方」が合っていないせいだと言われたら驚くでしょうか。でも私は、そう思っています。

虐待の1つに、ネグレクト(育児放棄)というものがあります。子どもが成績で伸び悩んで追いつめられ苦しんでいるときに、子どものために別の勉強のやり方や別の塾、通信教育、家庭教師などの情報を親が集めようとしないとすれば、それは「教育ネグレクト」と言えるものではないでしょうか。

小さい子どもに勉強をさせることで、そのとき能力が上がることは確かです。国語の読解力も算数の計算力も、中学受験をしない子よりしている子のほうが、そのときは高いでしょう。中学受験をさせるのは悪いことではないどころか、子どもの能力を伸ばすために有用ですが、最大の危険は子どもに「劣等感」を与えることだと思っています。

いわゆる「ブランド塾」に通っていると、その塾に通っているというプライドが親子ともに生まれることがあります。そのプライドが有利に働くこともあるでしょう。ところが、その塾にわが子が適応していないとき、「子どもの頭が悪いからだ」という理由に行きついてしまうことが問題なのです。親が、塾まかせ、塾の言いなりに勉強させた揚げ句、結果が出ないと、「ダメな子」というレッテルを貼ってしまう。

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