児童相談所「1人で100例」担当する職員の過酷さ 常に板挟み、警察に訴えられ脅されることも

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児童福祉司の白田さん。社会福祉士の資格を持つ(写真:リディラバジャーナル)
幼い女児の虐待死が相次いで報道され、虐待対応の窓口として注目される児童相談所(以下、児相)。 事件があるとその不手際が指摘され、人員不足などの課題が浮かび上がっている。
今回はそんな児相で働く児童福祉司の白田有香里さんに現場の声を聞いた。
現在、東京都江東児童相談所に勤務する白田さんは、児童養護施設で9年間勤務したあと、児童相談所に移って14年目になる。
今、子どものいのちを救う最前線の現場はどうなっているのか。

保護したら終わりではない、虐待対応

――まず児相での一日の流れについて教えてください。

当記事は「リディラバジャーナル」からの転載です(元記事はこちら)。同サイトは有料会員制メディアです。リディラバの考え方はこちらをご覧ください。

その日その日によって起こることが違うので、毎日同じ日はありません。

ただ基本的には、朝9時に出勤して前日の記録を入力したり、親御さんや関係機関との連絡をしたりします。

毎週火曜日と水曜日は子どもたちの援助方針を決める定例の会議を設けることは決まっています。

虐待通告はもうひっきりなしに入ってきます。通告があると情報が集まり次第、人が招集されて、緊急受理会議がひらかれ、誰がどう対応するか決めます。

白田さんが勤務する東京都江東児童相談所(写真:リディラバジャーナル)

とにかく子どもの安全を確認するために、家庭、あるいは保育園や学校などに行きます。

あざがあるなど、明らかに虐待が疑われる場合はそのまま保護することもありますし、まずは子どもや親御さんの話を聞くこともありますね。

親御さんが訪問に応じてくれず、子どもの安全が確認できない場合には立ち入り調査をすることもあります。

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