ネットに激増している「幼児の性的虐待」の実態 虐待画像や映像の数は過去最高に

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犯罪者たちが痕跡を隠蔽するための手段はいくつもある。どこから接続したか偽装できる仮想プライベートネットワーク(VPN)に、メッセージを隠したり、ハードディスクへの侵入を難しくする暗号化技術、通常のブラウザではアクセスできない闇サイトへ投稿したり――。

闇サイトの利用者が大胆にも非常に幼い子どもが性的虐待を受けている画像を投稿できるのは、その匿名性ゆえだ。そうした画像はさらに暴力的なものへとエスカレートしている。

闇サイトにおける犯罪活動は氷山の一角

ラブゾーンをめぐる裁判の証拠物件には、画像の投稿やダウンロードをいかに“安全”に行うかを話し合うための専用掲示板のスクリーンショットがあった。

モーザーの刑事裁判では、証言により被告がサイトの暗号化に使っていた41文字のパスワードを解読しようと思ったら「何兆年も」かかることが明らかになった。モーザーは結局、パスワードを自白。2016年に終身刑の判決を受けた。

しかし闇サイトを舞台に急増する犯罪活動は、ネットにおける子どもに対する性的虐待に関連した通報(1840万件)のほんの一部にすぎない。この件数はほぼすべて、アメリカに本拠を置くテクノロジー企業からのものだ。

テクノロジー企業はずっと以前から、自社のプラットフォームが犯罪の温床になっていることを承知していた。だが多くの企業はそれを見て見ぬ振りをした。確かに近年では、児童ポルノ画像の検知で進歩が見られる企業も少なくないが、今でも問い合わせへの反応は鈍い。

最近、テクノロジー企業からの虐待画像の通報が増えているが、「前からきちんと仕事をしていれば(増加など)そもそも存在しなかっただろう」と、ヘマンシュ・ニガムは言う。ニガムはかつて連邦検察官として、サイバー犯罪や児童虐待の事件を担当。今ではサイバーセキュリティー関連のコンサルティング会社を経営している。

「家がゴキブリだらけなのをわかっていながら、怖くて照明を付けられなかったようなものだ」と言うのはハニー・ファリド。マイクロソフトとともに2009年、子どもの性的虐待画像を検知する技術を開発した人物だ。「明かりを付けたときには、想像以上に状況は悪化していた」。

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