「私たちは男の子に、肉食っぽいタフさとか、ぐいぐいと引っ張ってくれるリーダーシップなんて、最初から期待していません。私たちが、求めるのはただ一点、『癒やし』のみです」
と、きっぱりと話す口ぶりは自然体そのもの。強がったり、皮肉を言ったりしているのではないことが伝わってきました。「最近の男の子は頼りない……」とプリプリした感情を多かれ少なかれ抱えていた参加者女性たちは、それを聞いて一様に、「えーっ!」と驚いていました。
この「男性に男らしさを求める・求めない」というギャップは、日本のジェンダー教育が大きく影響しているものと思われます。たとえば、中学校で家庭科の男女共修が始まったのが1993年(高校は1994年)。今の20代女性たちは、小さい頃から男女平等を旨とする教育を受けて育ってきています。
男性の手を借りずに敵をぶっ倒すヒロイン
日曜朝に放送されているアニメ「プリキュア」シリーズ。幼稚園・小学生の女の子向けアニメとして、2004年の放送開始以来、大ヒットを続けています。
女の子向けアニメといえば、「セーラームーン」(1992~1997年)を思い出す人も多いかもしれません。確かに、主人公が変身して敵をやっつけるというストーリーは同じですが、実はこの2作品には大きな違いがあります。
「セーラームーン」には、少女たちがピンチになると、さっそうと現れて助けてくれる「タキシード仮面」という存在がいましたが、「プリキュア」には(基本的に)いません。男性に頼らず女の子たちだけで暴れ回り、素手(キックやパンチ)で敵をぶっ倒します(代わりに小動物のようなマスコットキャラクターが彼女たちをサポート)。
幼い頃に接するポップカルチャーの影響は、とても大きいものがあります。「セーラームーン」を見て育った世代と「プリキュア」を見て育った世代とでは、男性に期待するものが大きく違ってくるのは当然でしょう。
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