その思いをつづったのが、『アラフォー男子の憂鬱』(日経プレミア新書)である。アラフォー男子の気持ちを代弁した本として、人気を集め、発売後すぐに重版がかかったという。この本の執筆陣、赤木智弘、おおたとしまさ、常見陽平、速水健朗の4人が、アラフォー男子の本音をぶちまける。
カラオケが可視化するアラフォーこじらせ元ロック小僧
20代、30代のサラリーマン諸君に問いたい。上司とのカラオケで嫌な思いをしたことはないか? ほら、正直に言ってごらん、あるだろう?
演歌を歌う上司、吉田拓郎や井上陽水を歌う上司は、いい。やしきたかじんや、桑名正博、大滝詠一を歌う上司も、彼なりに一生懸命、追悼したいのだろうから許そう。面倒くさいのは、アラフォー男子の上司(というか、先輩)とのカラオケではないだろうか?
無駄に、ドラマや自分の恋愛の思い出とともにZIGGYの「GLORIA」を歌うヤツ! 声が出ないのに、ユニコーンの「大迷惑」を歌う存在自体が迷惑なヤツ! 高級バイクをローンで買っているくせに、「15の夜」を歌うヤツ! 真性社畜のくせにRCサクセションやブルーハーツを歌うことで「根はロックなんだぜ」臭を漂わせるヤツ!
男ばかりdisって申し訳ない。PRINCESS PRINCESSの「ダイヤモンド」や「M」、LINDBERGの「Believe in Love」を歌うアラフォー女子も、面倒くさい。SHOW-YAの「限界LOVERS」を歌うヤツなんかは、もう恋愛が限界だったりする。そこに愛はあるのか、いや、お前に恋愛はあるのかと言いたくなる。
いや、こいつらは、まだかわいいほうだ。無駄に、フリッパーズ・ギターやBLANKEY JET CITYを歌われても迷惑だ。売れたのに、みんなで歌えないじゃないか。キーが高いX JAPANも痛い。ましてや、洋楽とか歌われた日には困る。まだ、いかにもカラオケのために作りました風のWANDSやT-BOLANを歌ってくれたほうが無害だ。さらに、昔やっていたバンドの武勇伝とか、曲の思い出を語られるとさらに困ることだろう。
きっと、20代、30代のサラリーマン諸君はこんな、嫌な思いをしているだろう。わかるよ。でも、彼ら、彼女たちの気持ちもわかってほしい。ヤツらは、バンドブームをまだ引きずっているのだ。
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