女前グローバルエリート、家政婦2人フル活用 仕事・家事・育児を全部ひとりでやるのは無理!

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国連で「世界の平和を築く」はずが幻滅

上智大学を卒業後、スタンフォード大学大学院で国際関係学を学び、国連(国際連合)に就職。「世界の平和を築く!」と意気込んだが、入ってみて幻滅した。

「非常に官僚的な組織で、マネジメントのクオリティが低かった。当時、加盟国が160ぐらいあったのですが、その調整がなかなか前に進まず、問題解決に向かっていくステップに時間がかかりすぎる。日本企業の年功序列の弊害を100倍悪くしたような感じで、フラストレーションがものすごくたまりました」

中米のバルバトスで国連開発援助プログラムを担当し、ニューヨークの本部へ。最後はカンボジアで人権擁護オフィサーを務め、PKO活動を行い、退職した。

ただ、バルバトスではクレジットユニオン(信用公庫)の仕組みを作り、やりがいを感じた。

「今でいうマイクロファイナンスのようなもの。たとえば、ヤギの乳などをしぼっている主婦たちに500ドルの資金を出して、それをチーズにして市場で売る。そのおカネを新しいヤギを飼うための資金にするといった仕組みです。月500ドルを単に渡しても先がないですが、投資をすれば独り立ちできる。これがとても楽しかったので、民間の金融機関に入って、投資を通じて新興国の開発に携わることができたら、と考え始めました」

とりあえずハーバードMBA

ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどの外資系投資銀行にコンタクトすると、どの会社も「とりあえずビジネススクールに行ってから来て」という返事だった。

「そんなものなのかな」と思い、ハーバード大学大学院でMBA(経営学修士)を取得。門前払いをされたすべての会社からオファーが来た。その中からゴールドマンを選び、ロンドン、ニューヨーク、東京と計15年勤めた。ニューヨークで、日本株とアジア株を扱う最高責任者の立場であるマネージングディレクターに昇格。女性では村上さんひとりだった。

生き馬の目を抜く外資系投資銀行の猛者たちと、いかにして渡り合ったのか。

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