女前グローバルエリート、家政婦2人フル活用 仕事・家事・育児を全部ひとりでやるのは無理!

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上司に成果をアピールする男性、黙っている女性

「もちろん、成果も上げましたし、アピールもしましたよ」と村上さん。アメリカも日本も、男性と女性でコミュニケーションのスタイルに明らかな違いがあると指摘する。

「女性は仕事を頑張ってやっていれば、黙っていても上司に認められて、それが昇給や昇進につながると思っている人が多いのですが、男性は自分が出した成果を上司に直接、アピールして、昇給・昇進を要求します。

これは私が部下を持つようになってわかってきたこと。男性は、上司の部屋のドアをトントンとノックして、『こんなに仕事をしたから見てくれ! ボーナスはこのぐらいだろう!』と言ってくる。でも、女性でそんなことを言う人はアメリカでも少ない。

私はこの違いに気づいて、自分が出した成果を上司に自己アピールするようにしました。それでも男性ほどではないです。そこまでやるか!?と思いながら見ていました」

もしかすると、アメリカと言えどもやりすぎは禁物で、ほどよいアピールだったのではないか。

なるべく女性の部下に発言させる

上に行けば行くほど、今度は部下を指導し、個々の能力を発揮させる力が求められる。村上さんは、男性の部下と女性の部下で、やはり言葉の受け取り方に違いがあることを知った。

「私が上司として部下の1年間の成果をレビューするとき、まったく同じことを言ったとしても、頭に残る部分が違うのです。たとえば『これはよかったけれど、これはできなかった。来年、頑張りましょう』と言うと、男性はよかった部分が9割で、反省点はほぼ残っていない。女性の場合は逆に、よかった部分はあまり残らず、反省点ばかり残る傾向があります」

村上さんは会議やミーティングで、なるべく女性の部下に発言させるように心掛けている。自信満々に手を上げて発言するのは男性のほうが多いので、努めて女性の声を引き出さないと、聞こえてくるのは男性の声ばかりになってしまうからだ。

「それを上司がわかってないといけない。私も失敗を繰り返しながら学びましたが、日本企業のマネジメント層も意識してほしいですね」

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