61 その場において現在も国際的に使用されている「88星座」のラテン語による正式名称と略称が定められた。
62 この88星座はプトレマイオスの〈トレミーの48星座〉をベースに近世考案された新星座を加えたもの。
63 さらに1928年の第三回総会ではベルギーの天文学者ウジューヌ・デルポルトが各星座の境界線を提案。
64 彼の提案をもとに境界線が採択され、現行の88星座が確立された。
65 この星座分類は各星座の範囲を厳密に決めており、全星座は赤経・赤緯の線に沿った境界線で区切られている。
66 そのため太陽系外部のあらゆる天体は必ずどれかひとつの星座に属することとなった。
67 各恒星は星座内での光度の順番などによって星座名とギリシャ語のアルファベットを合わせて呼ばれる。
68 恒星は明るいものから順に「α(アルファ)」「β(ベータ)」「γ(ガンマ)」……と名付けられる。
69 国際的にはラテン語表記だが、当時日本語の学術名は決定的なものがなく天文団体ごとの訳名が使用された。
70 1944年に学術研究会議(現・日本学術会議)が日本語の学術名を統一。日本全国で使用されることとなった。
日本では各地の方言で呼ばれることも
71 しかし日本では学術名のほかに、各地の方言で呼ばれることもある。
72 例えば、さそり座はヤナギボシ(広島)、ツリボシ(石川)、イユチーャブシ(沖縄)等と呼ばれる。
73 カシオペア座もヤライノホシ(北海道・岡山)、イカリボシ(香川)、山形星(愛媛)等、各地で呼称がある。
74 88星座のうち南極に近い「カメレオン座」「テーブルさん座」「はちぶんぎ座」は日本からは全く見えない。
75 88星座は北半球・南半球に分布しているため、日本でその全域を見ることができる日時があるのは「55星座」。
76 しかしこれも理論上であり、実際には大気差や山などの遮蔽物、光害などの影響を受けることが多い。
77 1988年から日本では旧環境庁の呼びかけによって毎年2回(夏・冬)「全国星空継続観察」が行われてきた。
78 過去に星空日本一に輝いたのは、熊本県水俣市県環境センター夕日の広場、長野県阿智村もみじ平天文村。
79 鹿児島県南さつま市加世田鉄山地区、岩手県一関市きらら室根山天文台、和歌山県那智勝浦町下里水路観測所。
80 岩手県洋野町大野牧場、沖縄県波照間島星空観測タワー、島根県津和野町日原天文台、東京都小笠原村など。
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