楽天がタイに進出、現地大手ECサイトを買収、海外展開で巻き返せるか
ネット通販で国内最大手の楽天が、タイのネット通販事業に参入する。タイで最大のネット通販サイト「TARAD.com」を運営するタラッドドットコムを約3億円で買収した。タラッドドットコムに67%出資し、CEO(最高経営責任者)ほか合計3人のスタッフを送り込んだ。
タラッドは、楽天市場同様、モール型のネット通販サイトで、約16万店舗が出店し、商品点数は約140万点、会員数は200万人を数える。1店舗あたりの商品数が10点に満たないことでも分かるように、出店者はほとんど零細規模。日本の楽天市場のように本格的なネット小売りが集うようなモールにはなっていない。
楽天は2010年始めから、順次、日本の楽天市場の機能・サービスをタラッドに導入するとともに、企業としての経営手法やノウハウも楽天流を持ちこみ成長を目指す。サイト名は、タラッドの知名度が高いことから当面は変更しない予定だ。
国内トップの楽天は、今後の成長戦略として海外展開を強化しているところ。08年には現地流通グループと合弁して台湾楽天市場を開設している。タイは2番目の進出国となる。
もっとも、楽天の海外事業の進捗は遅れ気味。08年2月にブチ上げた欧州進出は日本の数倍のマーケットを狙っていたものの、直後の経済危機もあって、現地法人を立ち上げただけで実質中断状態。台湾も9月時点で店舗数720店、会員数35万人にとどまり、上位陣のYahoo!奇摩、網路家庭にまだまだ水をあけられている。台湾では、中国本土のEC市場を押さえるアリババも本格進出に乗り出しており、激しい競争が続きそうだ。
(丸山 尚文)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.12 249,883 47,151 44,531 -54,977
連本2009.12予 285,000 53,000 51,000 65,000
連本2010.12予 315,000 60,000 58,000 25,000
連中2009.06 139,793 23,428 22,418 38,117
連中2010.06予 152,000 26,000 25,000 11,500
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.12 -4204 100
連本2009.12予 4965 100-200
連本2010.12予 1910 100-200
連中2009.06 2912 0
連中2010.06予 878.5 0
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