42歳女性が「結婚恐怖症」をついに克服したワケ 第一印象は「無理!」だった相手との“良縁"

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事実だから怒らなかったのではないと思う。妻である美里さんの愛情を感じていたからこそ、敏夫さんは素直に聞く気になったのだろう。不要なこだわりがなくなり、朗らかで付き合いやすい大人になれる――。他者と人生を分かち合うことで得られる大きな成果だ。

2人の結婚にはほかにも幸せな副次効果があった。お互いの親を大切にできていることだ。結婚直後、美里さんの母親が足を患い、当面は自力で歩行できない状態になった。美里さんとの仲はよくなかったのだが、新婚の自宅に来てもらって通院とリハビリを手伝うことにした。献身的に支えたのはむしろ敏夫さんのほうだった。

「トイレまで母をおぶってくれたり、家の中にDIYで手すりをつけてくれたり。それでも『オレはエラい』という態度にはならず、母を立ててくれました。いま、母と夫はすごく仲良しです」

2人で問題解決ができることの重要性

晩婚さんは新婚でありながら親の介護に突入していることが少なくない。配偶者とどのような形で協力できるかは、育児の次ぐらいに重要な課題と言える。美里さんと敏夫さんの場合は、課題解決のパートナーとしての相性もよかったようだ。

「しばらくすると彼の母親が心臓の手術を受けることになりました。ちなみに、前の結婚のときとは違って、『根性をたたき直す研修』を勧めるような義母ではありません。今度は私の出番です。親もお世話になった病院のつてをたどって、心臓外科の名医に執刀してもらうことができました。私はそういうことは得意ですから」

出産と育児に関しては年齢的に諦めることにして、2人で犬を飼ってかわいがっている。「お互いを(愛犬の)パパとママと呼ぶような寒いカップルになっています」と笑う美里さん。いま、「一緒にいて嫌じゃない」相手との和やかな暮らしを満喫しているのだろう。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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