草食系男子に上からなにか言う気はない
――若い世代は草食系男子とか言われ、『LEON』のモテるオヤジとは、ちょっとベクトルが違いますが?
やはり社会がそう育てたのだと思います。男性ですから、当然、どこかに「女性を追いかける」という肉食系の要素を持っているはずなのですが、それがあまり「よくないこと」だとか、「かっこ悪い」という風潮の中で育ったから、たまたま草食系になっているのではないですか。だから、その子たちが40代、50代になっても、草食のままで行くかどうかはわからない。
――草食系から肉食系に変わるものなのでしょうか?
それはわかりません。草食系男子が発生したのは、たぶん平成になってからでしょ? 今、平成元年生まれの人が26歳。だから、平成になって認知された新しい種族です。それがこの先、どう進化するのかは読めないですね。
でも、草食系男子に「男の人生こうすべきだよ」と言うつもりはないです。「おじさんたちすごく楽しいから、こんなに楽しいのをなんでやらないのかな」ぐらいのものですかね(笑)。
――なるほど、「おじさんたち楽しいよ」なんですね。
今の20代は、絶望の世代と言われて、希望が何もないと言われていますけど、それはかわいそうだなと思う。われわれおじさんがこんなに楽しく頑張っているのだから、そんな絶望することもないし、もっといろんなことを楽しんでもらえたらいいなと思います。
――私がたぶん絶望の世代なのですが、先輩を見ても、ちょっと上だと就職氷河期があって、さらに上の人たちは、家庭を持って貯蓄に汲々としていて、遊びを教えてくれたり、大人の世界を教えてくれる人生の先輩が、社内を見回しても、ほとんどいません。そんな中で、20~30代が身に付ける男の教養が『LEON』にはあるのかなと、あこがれているのですが。
教養というよりは、素養というか「たしなみ」じゃないですかね。たとえば、シャンパンとスパークリングワインの違いとか、スーツの着こなし方とか、ラグジュアリーホテルでのスマートな過ごし方とか……。
先ほども言いましたけど、『LEON』は男の人生を豊かにするためのエンターテインメントツールなので、なくても全然困らないけど、読めばすごく楽しく、豊かになるはずです。
ただ、男の人生にはさまざまなタイプとステージがあるので、たとえば20代のころは、そういった素養や基礎知識を身に付けてほしいですね。自分たちもそうでしたから。30代、40代になると、家庭を持って遊ぶ時間もお小遣いも減って、という人は多いですよね。でも、そういった世代の中でも、家庭生活をきちんとしながら、自分の趣味を楽しんでいる人もいるし、サラリーマンとはいえ、洋服が好きでちゃんとスーツもタイもシャツも全部自分で選んでいる人もいるから、探せばいると思いますよ。
そういった、「人生を少しでも楽しみたい」と思う人のための雑誌が『LEON』ですね。
(構成:岸上 直大 映像制作:クロマリズム)
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