ゾゾ前澤氏「電撃退任」を決めた3つのつまずき

「カリスマ」なき後のゾゾはどこへ向かうのか

今回、ヤフーの傘下入りすることで、集客ルートが広がる。ヤフーが筆頭株主になることで、ZOZOの経営安定性が増すことも期待できる。

さらに、今年中に予定しているゾゾタウンの中国進出を考えると、中国のアリババなどを傘下に持つソフトバンクグループのリソースを幅広く活用できる。

前澤氏の後任となるZOZOの澤田宏太郎新社長(中央)はゾゾタウン事業の責任者を務めてきた(撮影:風間仁一郎)

前澤氏の後任となる澤田宏太郎新社長はコンサル出身で、2008年にZOZOに入社。直近ではゾゾタウン事業の責任者を務めてきた。「この先の成長には、革新とともに安定感が重要。そのパートナーとしてヤフーがベストだと判断した」。会見の席上、澤田新社長はこのように述べ、今後は組織での運営を重視していく方針を明らかにした。

「時価総額5兆円」目標が一転、社長退任へ

「今が経営体制を抜本的に変えるタイミング」だったと前澤氏は強調する。それにしても疑問なのは、なぜいま退任なのかだ。前澤氏は「月旅行の準備」と「新事業への挑戦」を挙げた。とはいえ、1年前の同氏の言動を振り返ると、今回の決断があまりにも唐突であることがわかる。

「前澤フルコミットで突き抜ける」

前澤氏は2018年4月に発表した中期経営計画で、当時およそ1兆円だったZOZOの時価総額を10年以内に5兆円に引き上げる「超強気」の目標をぶち上げていた。

そこから一転、今回の退任である。同日の会見で、わずか1年半で心変わりした理由について、「当時は本心からそう(経営にコミットすると)思っていたが、この市場は非常に動きも早く、それに合わせて経営も柔軟に変える必要がある」と、前澤氏は歯切れの悪い説明に終始した。

前澤氏の姿勢変化の裏には、やはり経営面での蹉跌があることは否定できない。つまずきのひとつは、第2の収益柱を目指して昨年始動したPB(プライベートブランド)事業の大失敗である。

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