女性2人が体験した、本当に怖い「相続の失敗」

日本で一番相続を扱う事務所が教える

親の遺産相続の際に、これだけは知っておくべきポイントを2つの例とともに解説します(写真:cba/PIXTA)

遺言執行者が書かれていないばかりに…

ここ1、2年、遺言を書きたい、というご相談がたいへん増えています。今年1月13日施行の民法改正でも、自筆証書遺言の様式が緩和されるなど、国も遺言を奨励する傾向にあります。

さて、そんな遺言ですが、意外と知られていない盲点があります。それは、遺言執行者をきちんと指定しておくべきである、ということ。指定していなかったばかりに、大変なトラブルが起きることがあります。

A子さんもトラブルに見舞われた1人。A子さんは父親が亡くなって以来、母親と同居し、母の最期まで1人で面倒をみました。A子さんには、3歳上の兄がいますが、両親と反りが合わず、実家に寄りつかなかったのです。

母はA子さんに感謝し、実家の土地建物はもちろん、預貯金、投信などの財産の大半をA子さんに相続させる旨の遺言を残してくれました。ただ、兄と紛争になってもいけないので、兄の取得分はゼロとせず、遺留分相当、つまり全財産の4分の1相当の預貯金を相続できるような遺言となっていました。

ところが、いざA子さんが遺言のどおり、預貯金や投信を換金しようとしたところ、金融機関の窓口で「遺言書に遺言執行者の記載がないので、手続きに応じられません」と言われてしまいました。遺言執行者がいない場合は、相続人全員による必要書類への署名や実印での捺印、そして各々の印鑑証明書が必要となる、というのです。

A子さんは、兄に協力をお願いしましたが、遺言の内容が気にくわないのでしょう。兄は電話にも出ない、メールの返事も返さない始末。

これでは相続税の申告期限までに現金化できず、納税資金が準備できなくなりそうで、A子さんは気が気ではない毎日を送ることとなってしまったのです。

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